「本指名ってどういう意味?」
「場内指名とは何が違う?」
「どうすれば本指名で来てもらえるようになる?」
キャバクラで働くキャストにとって、本指名は非常に重要な言葉です。
フリーのお客様を接客し、連絡先を交換し、場内指名をもらう。その先にある大きな結果の一つが、本指名での再来店です。
しかし初心者のうちは、「指名してね」「今度来てね」とお願いすれば本指名になると思ってしまうことがあります。
本指名は、一言の営業だけで作られるものではありません。
お客様が「この店へ行こう」ではなく、「このキャストにもう一度会いたい」と考えて来店してくれることに、本指名の大きな価値があります。
本指名までの基本フロー
フリー席で出会う
↓
良い第一印象を残す
↓
会話を楽しんでもらう
↓
場内指名・連絡先交換
↓
退店後も関係を続ける
↓
「また会いたい」と思ってもらう
↓
本指名で再来店
↓
選ばれ続ける接客をする
この記事では、本指名の意味、場内指名との違い、フリーのお客様を本指名へつなげる基本、LINE、来店前準備、再来店後の接客、既存客を失わない考え方、数字での振り返りまで、現役店長の視点から初心者向けに解説します。

そもそも本指名とは?
本指名とは、お客様が特定のキャストを指名した状態で来店することを指すのが一般的です。
店舗によっては「A指名」「本指名」など、名称や制度が異なる場合があります。
例えば、以前接客したお客様が次回来店する時に、
「○○ちゃん指名で」
と伝えて来店すれば、本指名として扱われる形です。
本指名は、お客様が来店する前から「誰に会いたいか」を決めていることが大きな特徴です。
場内指名と本指名の違い
初心者が特に混同しやすいのが、場内指名と本指名です。
場内指名
フリーで来店
↓
店内で接客する
↓
「もう少しこのキャストと話したい」と選ばれる
本指名
来店前から会いたいキャストが決まっている
↓
そのキャストを目的の一つとして来店する
細かな料金・売上計上・呼び方などは店舗によって異なります。
「場内指名はその日の接客で選ばれた結果、本指名はもう一度会いたいと思われた結果」と覚えると分かりやすいでしょう。
なぜ本指名が重要なのか
キャストが安定して結果を出すためには、新しいフリー客を接客し続けるだけでは足りません。
一度出会ったお客様に、二度、三度と戻ってきてもらう必要があります。
- 指名本数が増える
- 売上が安定しやすくなる
- 来店予定を作りやすくなる
- お客様との関係を深めやすくなる
- フリー客だけに依存しにくくなる
- 同伴など次の営業へつながりやすくなる
長く売れ続けるには、「新しいお客様に出会う力」と「一度出会ったお客様に戻ってきてもらう力」の両方が必要です。
本指名はフリー席から始まっている
本指名で来店した瞬間だけを見ても、なぜそのお客様が戻ってきたのかは分かりません。
本指名までの流れは、最初にフリー席へ着いた時から始まっています。
フリー席
↓
第一印象
↓
会話・リアクション
↓
場内指名
↓
連絡先交換
↓
お礼LINE
↓
関係維持
↓
来店のきっかけ
↓
本指名
本指名は最後の営業LINEだけで決まるのではなく、最初の接客から積み重なっています。
「また会いたい」と思われる理由を作る
本指名で来てもらうためには、お客様の中に「また会いたい」と思う理由が必要です。
その理由は全員同じではありません。
- 話していて楽しかった
- 自分の話をよく聞いてくれた
- 居心地が良かった
- 自分のことを覚えてくれていた
- 一緒に飲むと楽しかった
- 見た目や雰囲気が好みだった
- また続きを話したい話題があった
- 他のキャストとは違う魅力を感じた
「どうやって店へ呼ぶか」の前に、「なぜ自分へもう一度会いたくなるのか」を考えることが重要です。
初回接客で関係を完成させる必要はない
初対面の短い時間だけで、お客様との深い関係を完成させる必要はありません。
- 感じが良かった
- 話しやすかった
- もう少し話したかった
- また会ってみたい
と思ってもらえれば、次へ進める可能性があります。
初回接客の役割は、その場ですべてを完成させることではなく、「次に会える余白」を残すことです。
名前と会話を覚える
お客様が再来店した時、前回の会話を覚えているキャストと、何も覚えていないキャストでは印象が変わります。
- 名前・呼び方
- 仕事
- 趣味
- 好きなお酒
- 前回話した内容
- 一緒に来ていた人
- 次に話そうと言っていたこと
- 最近の予定
などを残しておきます。
お客様を覚えていること自体が、「自分を一人のお客様として見てくれていた」という印象につながります。
連絡先交換はゴールではない
連絡先を交換しただけでは、本指名になったわけではありません。
交換した後に何も連絡しなければ、せっかく作った接点が止まることがあります。
営業後など適切なタイミングでお礼を送り、その後も相手との関係に合わせて連絡を続けます。
店内で作った良い印象を、LINEで次回来店までつなぐという考え方が必要です。
毎回「いつ来る?」だけを送らない
本指名が欲しいからといって、毎回のLINEが来店確認だけになると営業感が強くなります。
- 前回話した内容の続き
- 相手が興味を持っていた話題
- 仕事や趣味の近況
- 以前話していた予定
- 自然な日常会話
なども使えます。
来店要求だけではなく、「この人とまた話したい」という関係をLINEでも維持してください。
LINEだけで関係を完成させようとしない
長文を毎日送り続ければ、本指名になるわけではありません。
連絡が好きな人もいれば、必要な時だけやり取りしたい人もいます。
返信頻度・文章量・会話の続き方などから、相手に合う距離感を考えます。
LINEは顧客関係を支える手段であり、それ自体が目的ではありません。
来店をお願いする時は理由を作る
「来て」「いつ来れる?」だけでは、お客様が実際に動く理由として弱い場合があります。
- 前回の話の続きをしたい
- 久しぶりに会いたい
- 自分の出勤日を伝える
- お客様が近くへ来る予定がある
- イベントなど来店するきっかけがある
- 一緒に飲みたいもの・話したいことがある
「自分が来てほしい」だけではなく、お客様側にも「今日は行こう」と思える理由を作ることが営業です。
本指名の来店予定が決まったら準備する
お客様から来店予定の連絡が来たら、ただ待つだけではありません。
- 前回何を話したか
- 何を飲んでいたか
- 誰と来店したか
- 何に興味があるか
- 最近の予定は何だったか
- 次に話す材料は何か
を確認します。
本指名のお客様が店舗へ来る前から、次の接客は始まっています。
来店予定は黒服と共有する
本指名のお客様が来店する予定が分かっている場合は、店舗ルールに従って黒服や担当スタッフへ共有します。
- 来店予定時刻
- 人数
- 希望席
- 同伴か通常来店か
- その他必要な情報
など、分かる範囲を共有します。
本指名はキャスト一人だけで作る仕事ではなく、店舗との連携によって接客品質を上げることも重要です。
来店した瞬間の反応を大切にする
本指名のお客様は、あなたに会うために時間とお金を使って来店しています。
それなのに、席へ着いた時の反応が薄ければ、お客様は期待との違いを感じる可能性があります。
「来てくれたんですね。ありがとうございます」
など、来店してくれたことへの喜びと感謝を自然に伝えます。
「本指名だから来て当然」ではありません。
前回の会話を一つ出す
再来店してくれた時は、前回の話を一つ出すだけでも印象が変わります。
例えば、
「この前言ってた仕事、その後どうなりました?」
「前に教えてくれたお店、気になってました」
などです。
前回の会話を覚えているだけで、「前に一緒に過ごした時間を覚えてくれていた」という価値が生まれます。
本指名になった後の方が重要
一度本指名になったお客様を、
「もう自分のお客様だから大丈夫」
と考えるのは危険です。
本指名になった後に接客品質が落ちれば、お客様は離れていきます。
本指名を取る
↓
終わりではない
↓
期待に応える
↓
前回以上の接客を作る
↓
感謝を続ける
↓
関係を育てる
↓
本指名であり続けてもらう
本指名を取ることより、本指名であり続けてもらうことの方が長期では重要です。
お客様の慣れに甘えない
何度も来店してくれるようになると、キャスト側も関係に慣れてきます。
- 挨拶が雑になる
- 感謝を言わなくなる
- 会話を準備しなくなる
- スマートフォンを見る時間が増える
- 待たせても平気になる
- 来店して当然だと思う
といった変化は危険です。
関係が長くなった時ほど、最初に選んでもらった時の感謝を忘れないようにしてください。
一回の高額利用だけを狙わない
本指名のお客様へ、一回来店でできるだけ多く使ってもらうことだけを考えると、長期的な関係を壊すことがあります。
もちろん売上は重要です。
しかし、お客様にはそれぞれ予算があります。
一回の最大売上だけではなく、無理なく何度も来店してもらえる関係まで考えてください。
本指名は「取る・育てる・失わない」で考える
① 本指名を作る
フリー客から新しい本指名客を増やす
② 本指名を育てる
一回来店から継続来店・同伴などへ関係を深める
③ 本指名を失わない
接客低下・連絡不足・過度な負担などによる離脱を防ぐ
毎月5人新しい本指名を作っても、毎月5人の既存客が来なくなれば顧客数は増えません。
新規獲得と既存顧客の維持を同時に見ることが、安定した本指名数につながります。
来店間隔を見る
本指名のお客様は全員が同じ頻度で来るわけではありません。
- 毎週来る
- 月に1〜2回来る
- 数か月に一度来る
- イベント時に来る
など、来店パターンは人によって違います。
「最近来ていない」と感覚だけで判断せず、そのお客様の通常の来店間隔と比較してください。
来店が減った時は原因を考える
以前は定期的に来ていたお客様の来店が急に減った場合は、原因を考えます。
- 仕事が忙しくなった
- 生活環境が変わった
- 使える予算が変わった
- 連絡頻度が合わなかった
- 接客へ不満があった
- 高額利用が続き負担になった
- 他の店・キャストへ行っている
など、原因は一つとは限りません。
すぐ「嫌われた」と決めつけず、以前と何が変わったのかを冷静に確認してください。
本指名客を顧客として管理する
本指名が増えてくると、記憶だけで全員を管理するのは難しくなります。
- 名前・呼び方
- 初回来店日
- 直近来店日
- 来店頻度
- 仕事・趣味
- 好きな飲み物
- 過去に話した内容
- 一緒に来る人
- 次に連絡する材料
- 次回来店候補
などを整理します。
顧客数が増えるほど、記憶力ではなく顧客管理の仕組みが必要になります。
本指名を数字で見る
本指名を増やしたいなら、「今日は頑張った」という感覚だけで営業を評価しないことです。
- フリー接客数
- 連絡先交換数
- 場内指名数
- 新規本指名数
- 本指名総本数
- 本指名の実顧客数
- 再来店人数
- 既存客の離脱人数
- 平均来店間隔
「本指名が少ない」という結果だけではなく、どの段階でお客様が止まっているのかを見ることが重要です。
フリーから本指名まで、どこで止まっているかを見る
フリー接客は多い → 連絡先交換が少ない
第一印象・会話・交換タイミングを確認
交換は多い → 場内指名が少ない
店内で「もう少し一緒にいたい」と思われる接客を確認
場内は多い → 本指名が少ない
場内後の接客・お礼LINE・来店導線を確認
本指名は取れる → 継続しない
再来店時の接客・負担・顧客管理を確認
「本指名がない」で終わらず、フリーから継続本指名までを工程として分解すれば、改善する場所が分かります。
初心者が本指名でやりがちな失敗
「とにかく来て」と言い続ける
まず会いたくなる理由を作ります。
連絡先交換だけで満足する
交換後に関係を続けます。
前回の会話を覚えていない
顧客情報を記録します。
毎回営業LINEだけを送る
普通の会話も含めます。
返信が遅いと連投する
相手の連絡ペースを見ます。
本指名になったら安心する
選ばれ続ける接客へ切り替えます。
常連だから扱いが雑になる
長い関係ほど感謝を忘れません。
一回来店で高額利用だけを狙う
継続来店まで考えます。
新規本指名だけを追う
既存客の離脱も見ます。
感覚だけで顧客管理する
来店日・会話・来店周期を記録します。
本指名チェックリスト
□ 本指名と場内指名の違いを理解した
□ 店舗の指名制度を確認した
□ フリー席から次回来店を意識している
□ お客様の名前・会話を記録している
□ 連絡先交換後にお礼を送っている
□ 営業LINEだけになっていない
□ お客様に合わせた連絡頻度を考えている
□ 来店する理由を作れている
□ 来店前に前回情報を確認している
□ 来店予定を店舗と共有している
□ 来店した瞬間に感謝を伝えている
□ 前回の会話を一つ使っている
□ 本指名になった後も接客を落としていない
□ 常連だからと雑に扱っていない
□ お客様の予算を無視していない
□ 一回の高額利用だけを狙っていない
□ 新規本指名と既存本指名の両方を見ている
□ 来店間隔を把握している
□ 来店が減ったお客様を確認している
□ 顧客情報を記録している
□ 新規本指名人数を把握している
□ 本指名の実顧客数を把握している
□ 離脱した既存客も確認している
□ フリーから継続本指名まで数字で振り返っている
現役店長からのアドバイス
店長としてキャストを見る時、本指名の本数は非常に重要な数字です。
ただし、本数だけではそのキャストの顧客基盤が強くなっているかまでは分かりません。
例えば、今月本指名が20本あったとします。
見るべきなのは、20本という数字だけではありません。
- 20本を何人のお客様が作ったのか
- 新しく本指名になった人は何人か
- 既存のお客様は何人継続しているか
- 先月いたのに今月来ていない人は何人か
- 来月も来店する可能性がある人は何人か
ここまで見て初めて、本指名の土台が強くなっているのかが分かります。
売上が安定しないキャストは、新しい本指名を作っても、同じくらい既存のお客様が離れていることがあります。
反対に、毎月少しずつ新しい本指名を増やしながら、既存のお客様にも継続して来てもらえるキャストは強くなっていきます。
だから、本指名を「取る」という考え方だけでは足りません。
本指名を作る。本指名を育てる。本指名を失わない。この3つを同時に管理してください。
そして、本指名のお客様を売上だけで見ないことも重要です。
お客様は、自分の時間とお金を使ってあなたに会いに来ています。
最初は一生懸命だったのに、本指名になった後は扱いが雑になる。
これでは継続しません。
初回来店では選ばれる努力をする。本指名になった後は、選ばれ続ける努力をする。
この違いを理解しているキャストほど、長期的に顧客数を積み上げられます。
強い本指名営業
「指名して」と頼み続ける
ではない
↓
フリーで良い印象を残す
↓
また会いたい理由を作る
↓
店外でも関係を続ける
↓
本指名で戻ってきてもらう
↓
来店後も期待へ応える
↓
新しい本指名を増やす
+
既存本指名を失わない
↓
選ばれ続けるキャストになる
今回のまとめ|本指名は「もう一度あなたを選んだ」という結果
本指名は、お客様が特定のキャストに会うことを目的の一つとして来店する重要な指名です。
- 本指名と場内指名は意味が違う
- 本指名はフリー席の接客から始まる
- 「また会いたい」と思われる理由を作る
- 初回接客で関係を完成させる必要はない
- 名前・会話・好みを記録する
- 連絡先交換後も関係を続ける
- 営業LINEだけにしない
- 相手に合う連絡頻度を考える
- 来店する理由・きっかけを作る
- 来店予定が決まったら前回情報を確認する
- 来店予定を黒服と共有する
- 来店してくれた瞬間に感謝を伝える
- 前回の会話を使う
- 本指名になった後も接客を落とさない
- 常連だからと扱いを雑にしない
- 一回の高額利用だけを狙わない
- 本指名は「取る・育てる・失わない」で考える
- 来店間隔を把握する
- 来店が減った原因を考える
- 顧客情報を記録する
- 本指名本数だけでなく実顧客数を見る
- 新規本指名数と既存客の離脱を両方見る
- フリーから本指名まで、どこで止まっているか分析する
- 本指名後の再来店まで確認する
最後に、本指名までの流れを整理します。
フリーで出会う
↓
良い印象を残す
↓
会話を楽しんでもらう
↓
場内指名・連絡先交換
↓
退店後も関係を続ける
↓
来店する理由を作る
↓
「もう一度会いたい」と思ってもらう
↓
本指名で再来店
↓
期待に応える
↓
関係を育てる
↓
選ばれ続ける
本指名で本当に目指すべきものは、一度指名してもらうことではありません。「またあなたに会いたい」と何度も選ばれ、そのお客様との関係が長く続く状態です。