この講義で学べること
キャバクラでお客様が増えてくると、「LINEを送ること」よりも難しくなるのが、今日は誰に連絡するのかを決めることです。
顧客リストに50人、100人と登録されていても、毎日全員へ丁寧な連絡を続けるのは現実的ではありません。
そこで何も考えずLINEを開くと、返信が来やすい人ばかりに送ったり、最近来た人だけに連絡したり、月末になって急に過去のお客様へ一斉営業したりしやすくなります。
営業LINEを強くするために必要なのは、送信件数を増やすことだけではありません。
顧客情報を見て、「今この人に連絡する理由があるか」を判断することです。
来店予定が近い人。
通常の来店周期が近づいている人。
初めて本指名になったばかりの人。
最近少し来店頻度が落ちている安定顧客。
久しぶりでも自然に連絡できる話題がある休眠顧客。
同じ「お客様」でも、その日の優先順位は違います。
この講義では、営業LINEを感覚や一斉送信だけに頼らず、顧客の状態・来店周期・予定・前回の会話から優先順位を決める方法を解説します。
最初に覚えておきたいポイント
- 全顧客へ毎日同じように連絡する必要はない
- 「誰に送るか」を顧客状態から決める
- 返信が来やすい人だけに偏らない
- 来店周期と次回予定を確認する
- 新規本指名客は初期フォローを優先する
- 安定顧客の変化も見逃さない
- 営業件数ではなく、その後の反応まで確認する

営業LINEは「送った人数」が目的ではない
営業後に「今日は50人にLINEした」と聞くことがあります。
行動量としては悪いことではありません。
しかし、50人へ送ったこと自体が成果ではありません。
大切なのは、その50人をなぜ選び、どんな反応があり、その後の来店や関係維持へどうつながったかです。
営業LINEは件数を競う作業ではなく、顧客との接点を作るための行動です。
LINEを開いてから送る相手を考えない
顧客管理をしていないと、LINEのトーク一覧を見ながら営業相手を決めることがあります。
すると、最近やり取りした人が上にいるため、いつも同じお客様へ連絡しやすくなります。
逆に、少し連絡が空いたお客様は下へ流れ、そのまま忘れられます。
先に顧客管理表や来店予定を確認し、「今日連絡する人」を決めてからLINEを開く方が営業の偏りを減らせます。
営業の優先順位は「売上が高い順」ではない
売上の大きいお客様はもちろん重要です。
しかし、営業LINEを毎回売上順で送れば良いわけではありません。
例えば昨日来店した高額顧客と、普段月1回来るのに今月まだ来ていない安定顧客がいた場合、今日どちらへ営業が必要かは状況によって変わります。
顧客価値と「今日連絡する優先順位」は別で考えることが重要です。
優先度① 来店予定が決まっているお客様
来店日が決まっているお客様には、当日まで必要な確認を行います。
- 予定日に変更がないか
- 来店時間
- 人数
- 同伴の有無
- お連れ様の情報
ただし、予定が決まっているからと毎日確認する必要はありません。
相手との関係性や予定の確度に合わせて、必要なタイミングで連絡します。
優先度② 「今月行く」と言っている見込み顧客
来店意思はあるものの、まだ具体的な日程が決まっていないお客様は、予定を少しずつ具体化したい層です。
ただ「今月来てね」と繰り返すのではなく、自然な会話の中で日程を確認します。
例
「この前今月どこかで飲もうって言ってたけど、後半だと〇日と〇日出勤してるよ。予定合いそう?」
曖昧な見込みを、無理なく具体的な予定へ近づけます。
優先度③ 新しく本指名になったお客様
初回本指名から2回目・3回目へ進む時期は、関係が定着する前の重要な期間です。
せっかく本指名になったのに、その後ほとんど連絡しなければ一度だけで終わる可能性があります。
新規本指名客には、
- 来店後のお礼
- 前回の会話の続き
- 次に聞きたい話
- 自然な次回来店のきっかけ
を意識してフォローします。
新しく取るだけでなく、残すところまで営業です。
優先度④ 来店周期が近づいている安定顧客
普段は月に1回来るお客様が、前回来店からそろそろ1か月になる。
毎週来るお客様が、いつもの曜日になっても予定がない。
こうした「普段の周期に近づいているお客様」は、自然に連絡しやすいタイミングです。
来店周期が大きく過ぎてから慌てて営業するより、通常のリズムを把握しておく方が早く動けます。
優先度⑤ いつもと少し違う安定顧客
毎月来てくれているお客様だからこそ、小さな変化を見ます。
- 来店頻度が少し落ちた
- LINEの返信が減った
- 次回予定の話が出なくなった
- 以前より滞在時間が短い
すぐに「離れそう」と決めつける必要はありません。
ただし、完全に来なくなってからではなく、小さな変化の段階で自然に関係を確認できると失客防止につながります。
優先度⑥ 自然な連絡理由がある休眠顧客
しばらく来店していないお客様でも、自然に連絡できる理由がある場合があります。
以前話していた旅行。
仕事の異動。
趣味の大会。
誕生日。
こうした情報が顧客カルテに残っていれば、「久しぶり、来て」ではなく会話から自然に接点を作れます。
「返信をくれる人」ばかり優先しない
返信が早いお客様とのLINEは楽です。
会話も続きやすいため、自然とその人ばかりに連絡することがあります。
一方、返信が遅いお客様は後回しになりやすくなります。
しかし、返信速度と来店頻度が必ず一致するとは限りません。
LINEはほとんど返さないのに、月に一度必ず来る人もいます。
返信率だけで顧客の優先度を決めないようにしましょう。
「話しやすいお客様」だけに偏らない
営業にも相性があります。
自分からLINEしやすい人。
冗談を言いやすい人。
返信を必ずくれる人。
こうしたお客様ばかりを選びたくなることがあります。
しかし、営業管理では「自分が連絡しやすいか」ではなく、「今連絡する必要があるか」を見ます。
今日来てほしい人と長く育てたい人を分ける
営業LINEの目的は毎回同じではありません。
- 今日の来店を作りたい
- 今週の予定を作りたい
- 今月の見込みを具体化したい
- 新規本指名客との関係を続けたい
- 安定顧客との接点を保ちたい
- 休眠顧客との会話を再開したい
目的が違えば、送る相手も内容も変わります。
すべてのLINEを「今日来れる?」へつなげる必要はありません。
今夜暇だからと全顧客へ送らない
来店予定が少ない日に、不安になって一斉に営業したくなることがあります。
しかし、毎回「今日暇だから来て」と大量に送れば、自分の都合だけの営業になりやすくなります。
まず顧客管理表を確認します。
- 今日動けそうな見込み客
- 来店周期が近い人
- 最近「また飲もう」と話した人
- 近くへ来る予定がある人
「今日連絡する理由がある人」から考える方が営業の質は高くなります。
月初・週間・半月で連絡相手を変える
営業の優先順位は、月のどこにいるかでも変わります。
月初は、今月の来店予定と安定顧客の周期を確認します。
週間では、今週の確定・見込みを見て予定が弱い曜日を補います。
半月では、前半に来ていない顧客や後半の予定不足を確認します。
月末では、焦って全員へ営業するのではなく、まだ具体化できる見込みを優先します。
期間ごとに顧客リストを見ることで、営業が後手になりにくくなります。
営業LINEの優先順位を5段階で考える方法
管理を簡単にしたい場合は、顧客ごとにその日の優先度を分けても構いません。
A:今日・近日中に連絡したい
確定予定の確認、強い見込み、新規本指名直後など。
B:今週中に連絡したい
来店周期が近い安定顧客、予定を具体化したい人など。
C:今月中に接点を作りたい
まだ周期に余裕がある既存顧客など。
D:自然なきっかけがあれば連絡
休眠顧客や低頻度顧客など。
E:現在は無理に追わない
何度か連絡して反応がない、距離を置いた方が良い状態など。
これはあくまで管理例です。店舗や顧客数に合わせて使いやすい分類へ変更してください。
優先順位は固定しない
一度Aにしたお客様がずっとAではありません。
今日来店したら、翌日は来店を迫るよりお礼が中心になります。
休眠状態だった人から返信が来れば、優先度が変わります。
安定顧客の来店周期が近づけば、改めて優先順位が上がります。
顧客は常に動いているため、優先順位も定期的に更新します。
売上比率が高い顧客への連絡過多にも注意する
自分の売上を大きく支えているお客様ほど、「離したくない」という気持ちが強くなります。
その結果、必要以上にLINEを送り続けることがあります。
大切な顧客だから連絡量を最大にする、ではありません。
その人に合う連絡頻度を守ることも顧客維持です。
営業LINEを送りすぎているサイン
- 返信がないのに連投している
- ほぼ毎回「来て」で終わる
- お客様の話より自分の予定ばかり送っている
- イベントのたびに強くお願いしている
- 相手の返信ペースを無視している
営業量を増やすことと、相手への負担を増やすことは同じではありません。
反対に連絡不足になっているサイン
- 新規本指名後のお礼だけで終わっている
- 安定顧客でも数週間まったく接点がない
- 来店周期を大きく過ぎてから気づく
- お客様からしか連絡が来ない
- イベント前だけ急に連絡する
送りすぎだけでなく、関係に甘えて接点が減りすぎることにも注意します。
営業LINEの内容は顧客カルテから作る
誰に送るかが決まったら、次は顧客カルテを確認します。
- 前回話した内容
- 仕事の予定
- 旅行
- 趣味
- 次回聞くこと
- 過去の約束
こうした情報があれば、「元気?」「今日来れる?」だけではない、その人に合った連絡を作れます。
営業後は「送ったか」ではなく「どうなったか」を記録する
営業LINEを送ったら、必要に応じて結果を簡単に残します。
- 返信あり
- 日程調整中
- 今月は難しい
- 来月なら可能性あり
- 返信なし
- 来店確定
こうすると、翌日また同じ人へ同じ内容を送ることを防げます。
営業履歴まで残すことで、顧客管理表がさらに実用的になります。
返信なしを「営業失敗」と考えすぎない
LINEを送っても返信がないことはあります。
一回返信がないだけで、関係が終わったとは限りません。
仕事中だった。
返信する必要がないと思った。
後で返そうとして忘れた。
理由は分かりません。
一度の反応だけで感情的に判断せず、その人の普段の連絡傾向と合わせて見ます。
一日の営業人数を無理に増やさなくてもいい
100人へ雑な文章を送るより、必要な顧客を選び、過去の会話を確認して丁寧に連絡した方が良い場合もあります。
もちろん、一定の行動量は必要です。
ただし「何人送れば正解」という全国共通の数字はありません。
顧客数・出勤日数・連絡スタイル・店舗方針によって適切な量は変わります。
自分が継続でき、顧客一人ひとりを雑にしない範囲で仕組み化してください。
毎日の営業優先順位を決める基本ステップ
- 今日・今週の来店予定を確認する
- 見込み顧客で日程未確定の人を確認する
- 新規本指名客のフォロー漏れを見る
- 安定顧客の来店周期を確認する
- いつもと違う変化がある顧客を見る
- 自然な連絡理由がある休眠顧客を見る
- 今日連絡する人を決める
- 顧客カルテを見て内容を考える
- LINEを送る
- 返信・予定・次の行動を記録する
営業LINE管理でやりがちな失敗
- LINE一覧を上から順番に営業する
- 毎日同じお客様ばかりに送る
- 返信が早い人だけ優先する
- 売上が高い順にしか見ない
- 全員へ同じ文章を送る
- 予定がない日にだけ大量営業する
- イベント前しか連絡しない
- 新規本指名客を取って満足する
- 安定顧客だからと放置する
- 送信後の結果を確認しない
営業の優先順位を管理できているかチェックする
- LINEを開く前に連絡相手を決めている
- 確定予定と見込み予定を確認している
- 新規本指名客をフォローしている
- 安定顧客の来店周期が分かる
- 来店頻度の変化に気づける
- 休眠顧客を無差別に追っていない
- 顧客カルテから話題を選んでいる
- 返信ペースを相手に合わせている
- 営業結果を次の判断へ使っている
- 月末だけ営業量が急増していない
営業管理とは「全員へ平等に送ること」ではない
顧客管理を始めると、「すべてのお客様へ均等に連絡しなければ」と考えることがあります。
しかし、お客様の状態は一人ひとり違います。
昨日来た人。
来週来る人。
1か月来ていない人。
初めて本指名になった人。
半年に一度しか来ない人。
全員へ同じ頻度・同じ文章で営業する方が不自然です。
顧客の状態に合わせて必要な接点を作ることが、営業管理です。
現役店長からのアドバイス
営業が苦手なキャストに「LINEしてる?」と聞くと、「毎日してます」と返ってくることがあります。
僕が次に聞きたいのは、送信件数ではありません。
「今日は誰に、何のために送ったの?」
ここです。
例えば50人に「今日いるよ」と送った。
それも営業です。
でも、顧客管理表を見て、
「この人は普段月末に来るから、そろそろ連絡しよう」
「この人は先週初めて本指名になったから、前回の話の続きを送ろう」
「この人は今月来ると言っていたけど日にちが決まっていないから、予定を確認してみよう」
「この人は毎月来ていたのに、今月まだ来ていない。最近仕事忙しいって言っていたから様子を聞こう」
ここまで考えて送るLINEは、意味が違います。
僕は営業が強いキャストほど、「送る文章が上手い」だけではなく、「誰にいつ送るか」が上手いと思っています。
逆に、売上が苦しくなると営業が雑になりやすいです。
今日暇。
だから全員に送る。
月末あと30万円足りない。
だから昔のお客様まで一気に送る。
これでは、お客様からするとこちらの都合だけで連絡が増えたように見えることがあります。
売上が足りなくなってから営業するのではなく、普段から顧客を見てください。
そしてもう一つ、営業しやすい人だけに逃げないことです。
返信が早い。
いつも優しい。
LINEが盛り上がる。
そういうお客様へ連絡したくなる気持ちは分かります。
でも、本当に見るべきなのは「今連絡が必要な人」です。
LINEをあまり返さないけれど、毎月必ず来てくれる人もいます。
逆に毎日LINEは返してくれるけれど、何か月も来店しない人もいます。
返信数だけで営業判断をしないでください。
来店。
本指名。
継続。
予定。
関係性。
全部を合わせて見る。
そして、LINEを送った後も大事です。
送って終わりではありません。
「今月は忙しい」と返ってきたなら、それも情報です。
「来月なら行ける」と言われたなら、次の営業タイミングが分かります。
「30日に行く」と決まったなら、見込みから確定予定へ変わります。
営業LINEは送信ボタンを押したところで終わるのではなく、その反応を次の顧客管理へ戻すところまでが一つの仕事です。
顧客が少ないうちは感覚でもできます。
でも10人、20人、30人と増えれば、全員を同じように追うことは難しくなります。
そこで必要になるのが優先順位です。
営業が上手いというのは、毎日全員へLINEできることではありません。
今、誰に、何をするべきかを判断できること。
僕はここまでできて、初めて顧客管理が営業につながっていると思います。
今回のまとめ
キャバクラの営業LINEは、顧客全員へ同じ頻度・同じ内容で送れば良いわけではありません。
来店予定がある人、見込み顧客、新規本指名客、来店周期が近い安定顧客、変化が出ている既存顧客、自然な接点がある休眠顧客など、現在の状態によって優先順位を変えます。
また、返信が早い人・話しやすい人・売上が高い人だけへ営業を偏らせないことも重要です。
LINEを開いてから相手を探すのではなく、先に顧客管理表と来店予定を見て「今日は誰へ何のために連絡するのか」を決めてください。
営業後には返信・予定・次の行動を記録し、その情報をまた次の営業判断へ戻します。
営業LINEの強さは、送信件数だけでは決まりません。
必要な相手へ、必要なタイミングで、その人に合う内容を届けられること。
「とにかくLINEする営業」から「顧客情報を見て優先順位を決める営業」へ変えることで、限られた時間でも顧客との関係を効率よく積み上げやすくなります。