「保証期間が終わったら、時給はどうやって決まるの?」
「売上が上がれば時給も上がる?」
「本指名の本数で時給が変わるってどういうこと?」
キャバクラでは、全員がずっと同じ時給で働くとは限りません。
店舗によっては、売上・本指名・ポイントなど一定期間の実績をもとに、次の時給を決める給与システムがあります。
こうした仕組みを「時給スライド」「スライド制」などと呼ぶことがあります。
時給スライドを理解するうえで重要なのは、「現在いくらもらっているか」だけではなく、「何の数字を、どの期間で、どこまで作れば次の時給になるのか」を知ることです。
時給スライドを理解する6つの順番
① 何の数字で査定する?
↓
② いつからいつまでを見る?
↓
③ 現在の実績はいくつ?
↓
④ 次の時給まであといくつ?
↓
⑤ いつから新時給になる?
↓
⑥ その時給を維持するには何が必要?
この記事では、キャバクラの時給スライドとは何か、売上・本指名・ポイントなど代表的な基準、保証時給との関係、自分の給与を確認する時のポイントまで、現役店長の視点から初心者向けに分かりやすく解説します。

キャバクラの「時給スライド」とは?
時給スライドとは、店舗が定めた一定の実績によって時給が変動する給与システムです。
例えば、一定期間の売上が高くなるにつれて時給も段階的に上がる仕組みなどがあります。
反対に、実績が基準を下回れば、次回の査定で時給が下がる場合もあります。
「スライド」とは、実績に応じて給与条件が一定の基準に沿って動く仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。
一定期間の実績
↓
店舗の査定基準と照合
↓
基準を上回る
→ 時給が上がる場合がある
基準を下回る
→ 時給が下がる場合がある
↓
次の査定期間へ
時給スライドはすべてのキャバクラにある?
すべてのキャバクラが同じ時給スライドを採用しているわけではありません。
店舗によって給与システムは異なります。
- 売上を基準にする店舗
- 本指名本数を基準にする店舗
- ポイントを基準にする店舗
- 複数の実績を組み合わせる店舗
- 別の給与システムを採用する店舗
などがあります。
他店で働いた経験があっても、入店する店舗の給与システムは改めて確認する必要があります。
なぜ実績によって時給が変わるの?
キャバクラでは、キャストによって売上・指名・来店客数などの実績が異なります。
そのため店舗によっては、一定期間の実績を給与へ反映する仕組みとして時給スライドを採用しています。
実績が伸びれば、より高い時給帯へ移る可能性があります。
時給スライドは「長く在籍したから自動的に上がる」という仕組みではなく、店舗が定める評価基準と連動している場合があることを理解しましょう。
代表的な時給スライドの基準
何を基準に時給を決めるかは店舗によって異なります。
代表的なものとして、次のような考え方があります。
- 売上
- 本指名本数
- ポイント
- 複数の実績を組み合わせた基準
同じ「時給スライド」という言葉でも、中身が同じとは限りません。
まず、自分の店舗では「何を基準に時給を決めるのか」を理解することが第一歩です。
代表的な3つのスライド
売上スライド
一定期間の売上金額で時給帯を決める
本指名本数スライド
一定期間の本指名本数などで時給帯を決める
ポイントスライド
複数の実績をポイント化して合計点で時給帯を決める
「売上スライド」とは?
売上スライドとは、一定期間の売上を基準に時給を決める仕組みです。
例えば、説明のために単純化すると、
- 売上50万円未満 → 時給3,500円
- 売上50万円以上 → 時給4,000円
- 売上100万円以上 → 時給5,000円
- 売上150万円以上 → 時給6,000円
というように、売上の段階によって時給が変わるイメージです。
これは仕組みを理解するための例であり、実際の金額や区分は店舗によって異なります。
売上49万円
↓
時給3,500円帯
売上50万円
↓
時給4,000円帯
売上100万円
↓
時給5,000円帯
※数字は仕組み説明用
売上スライドでは、「どの売上を基準にするのか」「どの期間の売上を見るのか」が重要です。
「売上」と言っても計算方法は同じとは限らない
初心者が注意したいのが、「売上○万円」という数字の意味です。
店舗によって、給与査定で使う売上の集計方法が異なる場合があります。
そのため、単純に自分が把握している売上と、給与査定に使われる数字が同じとは限りません。
売上スライドの場合は、「何を売上として計算するのか」を確認しておきましょう。
「本指名本数スライド」とは?
本指名本数スライドとは、一定期間の本指名本数などを基準に時給を決める仕組みです。
例えば、本指名の本数が増えるにつれて時給帯が上がるような設計です。
この場合、売上金額だけではなく、「どれだけ自分を目的に来店してくださるお客様を作れているか」が給与へ反映されやすくなります。
本指名本数スライドでは、「何を1本として数えるのか」「どの期間で集計するのか」を確認することが重要です。
本指名本数は「お客様の人数」と同じではない場合がある
「本指名10本」と聞いて、「10人のお客様が必要」と考える人もいるかもしれません。
しかし、本指名のカウント方法は店舗によって異なる場合があります。
同じお客様が複数回来店した場合の数え方なども、店舗のルールによって変わります。
お客様Aが月3回来店
+
お客様Bが月2回来店
+
お客様Cが月1回来店
↓
「3人」でも
本指名本数は複数になる場合がある
※実際の数え方は店舗ルールを確認
本指名本数を給与基準にしている店舗では、カウント方法まで理解しておく必要があります。
「ポイントスライド」とは?
ポイントスライドとは、店舗が定めた実績をポイントへ換算し、一定期間の合計ポイントなどによって時給を決める仕組みです。
例えば、本指名・同伴・売上など、それぞれの実績にポイントを設定する場合があります。
一定のポイントに到達すると次の時給帯へ移る、といった考え方です。
ポイント制では、「何をすると何ポイントになるのか」を理解しないと、自分の時給がなぜその金額なのか分かりにくくなります。
ポイントの配点は店舗によって違う
ポイント制を採用しているからといって、すべての店舗で同じ配点ではありません。
本指名を重く評価する店舗もあれば、同伴や売上など複数の項目を組み合わせる店舗もあります。
そのため、以前働いていた店舗のポイント制度をそのまま当てはめることはできません。
自分の店舗のポイント表や給与規定を確認し、何が評価される仕組みなのかを把握しましょう。
複数の条件を使う給与システムもある
給与制度は、必ず一つの数字だけで決まるとは限りません。
店舗によっては、売上・本指名・出勤日数など複数の条件が関係する場合があります。
また、時給とは別にバック制度が設定されていることもあります。
給与制度を理解する時は、一部分だけを見るのではなく、自分の給与が決まる全体の仕組みを確認してください。
時給スライドはいつの数字で決まる?
時給スライドでは、評価対象となる期間も重要です。
例えば、前月の実績をもとに翌月の時給を決める仕組みなどがあります。
一方で、店舗によって締め期間や査定方法は異なります。
査定期間と適用時期を混同しない
4月の実績を集計
↓
4月末などで査定
↓
5月の時給へ反映
という制度もある
実績を作った日
=
その日に時給変更
とは限らない
「いつからいつまでの実績が、いつの時給に反映されるのか」を確認しておきましょう。
時給は毎月変わるの?
これも店舗の給与制度によって異なります。
毎月査定する店舗もあれば、別の期間で見直す場合もあります。
保証期間中は保証時給が適用され、保証終了後から通常の査定へ移行することもあります。
自分の時給が「いつ査定されるのか」を知っておくと、どの期間の数字を意識すべきか分かりやすくなります。
時給スライドで時給が上がる場合
店舗が設定している基準を上回れば、次回の査定で時給が上がる場合があります。
例えば、売上スライドなら売上を伸ばす、本指名本数スライドなら本指名を増やすといった形です。
ただし、基準を超えた瞬間にその場で時給が変更されるとは限りません。
「どの基準を超えれば」「いつから」「いくらになるのか」を確認してください。
時給スライドで時給が下がる場合
実績が以前の時給帯の基準を下回った場合、次回査定で時給が下がる給与制度もあります。
そのため、一度高い時給になれば永久にその金額が続くとは限りません。
時給を上げることだけでなく、その時給帯に必要な実績を継続できるかも重要です。
保証時給と時給スライドの違い
保証時給と時給スライドは役割が異なります。
保証時給
一定期間・条件で提示された時給を保証する仕組み
入店直後などに使われる場合がある
時給スライド
店舗が定めた実績によって時給が変動する仕組み
通常査定へ移行後などに使われる場合がある
店舗によっては、入店直後は保証時給、その後は時給スライドへ移行します。
保証期間中に、スライド移行後の時給を維持・向上できる実績を作ることが重要です。
時給スライドとノルマは同じ?
同じとは限りません。
ノルマは、一定期間などで達成を求められる基準・条件として使われる言葉です。
時給スライドは、実績によって時給が変動する給与システムです。
例えば、売上が増えるほど時給が上がる仕組みがあっても、その数字が必ず「達成しなければならないノルマ」として設定されているとは限りません。
「達成を求められる条件」と「給与を算定する基準」は分けて確認しましょう。
時給スライドとバックの違い
時給スライドとバックも別の仕組みです。
時給スライドは、実績によって基本となる時給が変わります。
バックは、本指名・同伴など一定の実績に応じて時給とは別に加算される報酬として使われます。
時給スライド
実績によって
基本時給そのものが変わる
バック
実績に応じて
時給とは別の報酬が加算される
給与を比較する時は、スライド時給とバックの両方を見る必要があります。
時給が高ければ一番稼げるとは限らない
時給スライドによって高い時給を獲得できれば、勤務時間に対する給与は大きくなります。
しかし、最終的な収入は時給だけで決まりません。
勤務時間、出勤日数、バック、控除なども関係します。
適用時給
×
勤務時間
↓
時給部分
+
バック・その他支給
−
給与上の差し引き
↓
最終的な月の受取額
時給だけで店舗・給与を判断しない
「時給○円になった」という数字だけでなく、最終的に月いくら受け取れるのかを見ることが重要です。
自分の現在地を数字で把握する
時給スライド制で働くなら、自分の実績を店任せにしないことが大切です。
例えば売上スライドなら、
- 現在の売上はいくらか
- 現在どの時給帯なのか
- 次の時給帯まであといくら必要か
- 査定期間はあと何日あるか
などを把握します。
自分の時給を数字で管理する
現在の時給
5,000円
↓
現在の実績
売上80万円
↓
次の時給帯
売上100万円
↓
あと20万円
↓
査定残り10日
この状態まで自分で把握する
自分の時給を決める数字を、自分でも確認できる状態にしておきましょう。
本指名スライドなら「人数」より継続来店を見る
本指名本数が給与に関係する場合、新しいお客様を増やすことだけが方法ではありません。
一度本指名になったお客様に継続して来店していただくことも、本指名本数を安定させるために重要です。
例えば10人のお客様を一度ずつ呼ぶ方法だけではなく、5人のお客様が継続して来店してくださる関係を作る考え方もあります。
本指名は「一回来店」より「継続来店」
新規のお客様を増やす
+
既存のお客様に再来店してもらう
↓
本指名本数が安定
↓
売上も安定しやすい
↓
時給帯を維持しやすくなる
顧客数 × 来店頻度で考える
長期的に時給を維持するなら、一度だけ数字を作るのではなく、継続して来店してくださるお客様を増やすことが重要です。
次の時給帯だけを追いすぎない
「あと少しで時給が上がる」と分かると、数字だけを追いたくなることがあります。
しかし、無理にお客様へ来店を迫ったり、予算を超える注文を勧めたりすれば、長期的な関係を壊す可能性があります。
時給を上げるための数字は大切ですが、お客様との信頼を壊してまで作る数字ではありません。
一度上がった時給を維持する方が難しい
短期間だけ大きな売上を作れば、一時的に高い時給帯へ入れる場合があります。
しかし、その実績を継続できなければ、次の査定で時給が変わる可能性があります。
長く高い給与を得たいなら、一度だけ大きな数字を作るより、安定して実績を作れる状態を目指す必要があります。
「最高時給を取ったこと」より、「その時給を維持できる顧客基盤があること」の方が重要です。
イベントや単月で大きな数字
↓
一時的に高時給
↓
翌月に数字が落ちる
↓
時給も下がる可能性
ではなく
顧客を積み上げる
↓
毎月安定した本指名・売上
↓
高い時給を維持できる状態へ
時給が下がった時は原因を数字で確認する
査定後に時給が下がった場合、感覚だけで「評価されていない」と考えないことも大切です。
まず、自分の店舗の給与基準と実績を照らし合わせます。
- 売上がどのくらい変化したか
- 本指名本数が減っていないか
- ポイントがどのくらいだったか
- 査定期間を正しく理解していたか
などを確認します。
「時給が下がった」
↓
感情で判断しない
↓
査定基準は何?
↓
査定期間は合っている?
↓
実績はいくつだった?
↓
以前より何が減った?
↓
原因となった数字を特定
↓
次の査定で改善する
時給が変わった理由を数字で理解できれば、次に何を改善すべきかも見えやすくなります。
給与明細だけでなく査定基準も確認する
給与明細を見て支給額を確認することは重要です。
時給スライド制では、それに加えて自分の時給がどの基準で決まったのかも確認しましょう。
自分では次の時給帯に到達したと思っているのに金額が違う場合は、集計方法や対象期間を勘違いしている可能性もあります。
分からない場合は「今回の時給はどの数字を基準に決まっていますか」と確認することが大切です。
面接・体験入店で確認しておきたいこと
時給スライド制の店舗へ入店する場合は、給与表を見せてもらうだけでなく、仕組みを理解できるまで確認しましょう。
- 何を基準に時給が決まるのか
- 売上ならどの売上を使うのか
- 本指名ならどのように本数を数えるのか
- ポイントなら何が何ポイントなのか
- 査定期間はいつからいつまでか
- 次の時給はいつから適用されるのか
- 時給が上がる・下がる条件は何か
- 保証期間中はどう扱われるのか
- バックは別に付くのか
「スライド制です」と聞いて終わらず、自分の給与を自分で計算できる程度まで理解するのが理想です。
初心者が勘違いしやすい時給スライド
「一度上がった時給はずっと続く」
次回査定で変動する場合があります。
「売上が上がればその日から時給が上がる」
適用時期は店舗の査定ルールによります。
「売上スライドはどの店でも同じ」
集計方法や時給表は店舗ごとに異なります。
「本指名10本=必ず10人のお客様」
本数の数え方は店舗ルールを確認する必要があります。
「スライドの数字=ノルマ」
給与基準とノルマは同じとは限りません。
「高時給になれば最終給与も必ず一番高い」
勤務時間・バック・控除なども関係します。
入店前に確認したい時給スライドチェックリスト
□ 時給スライド制か確認した
□ 何の数字を基準にするか確認した
□ 売上の集計方法を確認した
□ 本指名のカウント方法を確認した
□ ポイント制なら配点を確認した
□ 査定期間を確認した
□ 次の時給が適用される時期を確認した
□ 時給が下がる条件も確認した
□ 保証終了後の扱いを確認した
□ バックとの関係を確認した
現役店長からのアドバイス
時給スライド制で一番危ないのは、自分の時給だけ知っていて、その時給がなぜその金額なのか分かっていない状態です。
時給5,000円なら、なぜ5,000円なのか。
次の6,000円には何が必要なのか。
売上ならあといくらなのか。
本指名ならあと何本なのか。
いつまでの数字なのか。
ここまで把握してください。
自分の給与を決める数字なのに、自分が知らないという状態は作らない方がいいです。
ただし、毎月スライド表だけを見て数字を追いかければ売れるわけでもありません。
時給を上げるために必要な売上も、本指名も、最終的にはお客様の来店から生まれます。
一度来ていただく。
また来たいと思っていただく。
次も自分を指名していただく。
その積み重ねが数字になります。
スライド表の数字を直接追うのではなく、その数字を作っている「お客様との継続した関係」を増やすことが、結果として時給を安定させます。
一度だけ高い時給になるより、高い時給を維持できるキャストを目指してください。
高時給を作る本当の順番
良い接客
↓
信頼
↓
再来店
↓
本指名
↓
継続来店
↓
売上・本指名本数が安定
↓
時給が上がる・維持できる
今回のまとめ|時給スライドは「基準・期間・次の時給」を理解する
キャバクラの時給スライドとは、売上・本指名・ポイントなど店舗が定めた実績によって時給が変動する給与システムです。
- すべての店舗が同じスライド制度ではない
- 売上を基準にする売上スライドがある
- 本指名本数を基準にする仕組みもある
- 複数の実績をポイント化する店舗もある
- 何を基準にするかは店舗によって異なる
- 査定期間と適用時期を確認する
- 実績によって時給が上がる場合も下がる場合もある
- 保証時給と時給スライドは別の仕組み
- 時給スライドとノルマも同じとは限らない
- バックを含めた給与全体で考える
時給スライド制で働くなら、最低でも3つは答えられるようにしておきましょう。
① 何の数字で時給が決まる?
↓
② いつからいつまでの数字を見る?
↓
③ 次の時給まで何があとどれだけ必要?
↓
さらに
いつ適用される?
維持条件は?
↓
自分の時給を自分で説明できる状態へ
ここが分かれば、自分の給与がなぜその金額なのか理解できるようになります。
そして最終的に目指すべきなのは、一度だけ高い時給を取ることではありません。
本指名や売上を継続して作り、高い時給を自分の実績で維持できる状態を作ることです。