この講義で学べること
本指名のお客様が20人いる。
この数字だけでは、顧客基盤がどのくらい安定しているかまでは分かりません。
なぜなら、同じ20人でも来店頻度が違うからです。
例えば、
- 毎週来てくれるお客様
- 月に2回来てくれるお客様
- 月に1回来てくれるお客様
- 2〜3か月に1回来てくれるお客様
では、月間の来店組数への影響が大きく違います。
また、来店頻度の高いお客様だけに偏っている場合、その数人の来店ペースが少し落ちただけで本指名組数が大きく下がることもあります。
顧客管理では「何人いるか」だけでなく、「その人たちがどのくらいの頻度で来ているか」まで見ることが重要です。
この講義では、週1・月2・月1などの来店頻度から顧客構成を見る方法、来店組数との関係、頻度が変わった時の判断、顧客管理表での確認方法まで現役店長の視点で解説します。
最初に覚えておきたいポイント
- 顧客人数と来店組数は分けて考える
- 同じ顧客数でも来店頻度で売上の土台は変わる
- 週1・月2・月1などの構成を見る
- 来店頻度が高い人だけに頼りすぎない
- 一時的な来店減少だけで失客と決めつけない
- 本人の過去の来店周期と比較する
- 頻度の変化を次の営業判断へつなげる

顧客人数と来店組数は同じではない
顧客管理で最初に分けて考えたいのが、「顧客人数」と「来店組数」です。
例えば本指名客が10人いたとしても、全員が月1回来るとは限りません。
Aさんが月4回。
Bさんが月2回。
Cさんが月1回。
というように、一人のお客様が複数回、本指名組数を作ることがあります。
そのため、
- 本指名客が何人いるか
- その人たちが月に何回来ているか
- 結果として何組の来店になっているか
を分けて確認します。
同じ20人でも月間来店組数は変わる
例えば、本指名客が20人いる2人のキャストを比較します。
例A
週1程度:5人
月2回程度:5人
月1回程度:10人
例B
月1回程度:5人
2〜3か月に1回程度:15人
どちらも顧客人数は20人です。
しかし、毎月作られる本指名組数は大きく変わる可能性があります。
だから顧客数だけを見て「20人いるから大丈夫」と判断しないことが重要です。
来店頻度は大きく分けて管理すればいい
来店頻度を細かく分けすぎる必要はありません。
例えば、
- 週1回以上
- 月2〜3回程度
- 月1回程度
- 2〜3か月に1回程度
- 不定期
など、自分が管理しやすい区分で構いません。
店舗や顧客層によって適切な区分は異なります。
目的は細かく分類することではなく、自分の顧客がどのような来店リズムで構成されているかを把握することです。
週1回来るお客様が作る影響は大きい
週1回来店するお客様は、単純に考えると月に4回前後来店することがあります。
一人でも月間本指名組数への影響は大きくなります。
例えば週1程度で来ているお客様が3人いれば、その3人だけで月に10組以上の本指名になる場合もあります。
もちろん月によって回数は変わりますが、頻度の高い顧客は月間売上を支える大きな柱になりやすい存在です。
頻度が高いお客様ほど変化を早く見つけやすい
普段毎週来ているお客様が、2週間・3週間と来ていなければ変化へ気づきやすくなります。
一方で、普段2〜3か月に1回のお客様が3週間来ていなくても、特別な変化とは言えません。
「何日来ていないか」ではなく、「その人の通常ペースからどれくらい変わったか」を見ます。
月2回程度のお客様は安定売上の重要な層になる
月2回程度来店してくれるお客様も、顧客基盤の中では重要です。
月に2回来る顧客が10人いれば、単純計算では20組程度の来店につながる可能性があります。
数字はあくまで例ですが、数人の高頻度顧客だけではなく、こうした安定した中間層が増えることで本指名組数は作りやすくなります。
月1回来るお客様を軽く見ない
週1や月2回のお客様と比べると、月1回来店は少なく見えるかもしれません。
しかし、毎月1回来てくれる顧客が20人いれば、それだけで月20組の本指名になります。
さらに、それが半年・1年と続けば非常に大きな顧客基盤になります。
一度の来店回数だけではなく、継続期間も含めて見ることが大切です。
「毎月1回」が続くことには価値がある
顧客管理では、大きな数字ばかりに目が向きやすくなります。
しかし、毎月決まったペースで長く来店してくれるお客様は、売上の再現性を作ってくれます。
月1回だから弱い顧客。
週1回だから強い顧客。
と単純に順位をつけるものではありません。
それぞれの来店ペースを理解し、その関係を維持することが重要です。
不定期顧客も顧客リストから消さない
仕事の出張や接待などで来店するお客様は、毎月決まった周期にならないことがあります。
こうしたお客様を「来店頻度が低いから重要ではない」と考える必要はありません。
半年に一度でも長年関係が続いている人もいます。
不定期の場合は「不定期」として管理し、定期客と同じ基準で来店周期を評価しない方が分かりやすくなります。
来店頻度の高い顧客だけで組数を作るリスク
例えば月間本指名30組あったとしても、そのうち20組を3人のお客様で作っている場合があります。
今月の本指名組数としては強い数字です。
しかし、その3人のうち一人が忙しくなり来店回数が4回から1回へ下がるだけでも、本数へ大きく影響します。
これは悪いことではありません。
ただ、どこから本指名組数が生まれているかを理解しておく必要があります。
本指名組数の内訳を顧客別に見る
例えば月間30組なら、次のように確認します。
例
Aさん:5組
Bさん:4組
Cさん:3組
D〜Jさん:各1〜2組
その他:新規・不定期顧客
こうして見ると、30組という合計だけでは分からなかった構成が分かります。
来店組数の円グラフでも偏りを確認できる
売上比率だけでなく、来店組数も顧客別に円グラフで見る方法があります。
例えば月間20組のうち、Aさんだけで8組なら、来店組数全体の40%を一人で作っていることになります。
売上額とは別に、誰が本指名本数を支えているかを見ることができます。
売上比率と来店頻度は別々に見る
来店頻度が高いからといって、必ず売上比率も高いとは限りません。
例えば、
- Aさん:月4回来店・月間売上20万円
- Bさん:月1回来店・月間売上30万円
という場合があります。
Aさんは来店組数を支え、Bさんは売上額への影響が大きい顧客です。
そのため、
- 顧客別売上
- 売上比率
- 来店回数
- 来店頻度
を一緒に確認すると、顧客の役割がより分かりやすくなります。
来店頻度が落ちたらまず「通常との差」を見る
普段月4回来ていたお客様が今月2回になったとします。
来店はしているので、一見すると問題がないようにも見えます。
しかし本人の過去と比べれば、50%程度まで頻度が下がっています。
こうした変化は、顧客状態を確認する一つの材料になります。
ただし、一度の減少だけで関係悪化と判断する必要はありません。
来店頻度が落ちる理由はキャストだけとは限らない
来店回数が下がる理由にはさまざまなものがあります。
- 仕事が忙しい
- 出張が減った
- 飲みに出る回数を減らしている
- 生活環境が変わった
- 金銭的な使い方を見直している
- 体調などの事情がある
そのため、「回数が減った=自分への気持ちが下がった」とすぐに決めつけないことが重要です。
来店頻度が上がった時も確認する
逆に、普段月1回のお客様が最近月2回・3回来るようになった場合も記録します。
関係性が深まっている可能性があります。
ただし、一時的なイベントや仕事の接待が理由かもしれません。
1か月だけで「この人は月3回顧客になった」と決めず、数か月の傾向を見る方が正確です。
一度の高頻度を通常ペースにしない
例えばイベント月だけ4回来てくれたお客様へ、翌月からも「毎週来る人」として営業すると負担を感じさせることがあります。
来店頻度は直近1か月だけでなく、複数月で見ることが大切です。
特別な月と通常月を分けて考えます。
来店頻度を上げることだけが正解ではない
顧客管理表を見ると、「月1回のお客様を月2回にしたい」と考えることがあります。
営業上の目標として考えること自体はできます。
しかし、すべてのお客様の来店頻度を上げることが正解ではありません。
お客様には、それぞれ生活・仕事・予算・飲みに出るペースがあります。
無理に頻度を上げようとするより、その人に合ったペースで長く来店してもらえる関係を作る方が重要な場合があります。
週1顧客を作るより月1顧客を増やす方が良い場合もある
来店組数を増やそうとすると、一人のお客様に何度も来てもらう方向へ考えやすくなります。
しかし、月1回来てくれる顧客を新しく5人作れば、それも毎月5組の土台になります。
一人を月1回から月5回へ増やすだけが方法ではありません。
既存顧客の来店継続と、新しい安定顧客の増加を両方見ることが重要です。
顧客構成は「高頻度・中頻度・低頻度」のバランスを見る
理想的な比率に全国共通の正解があるわけではありません。
ただ、自分の顧客がどこへ偏っているかは確認できます。
例
高頻度顧客:3人
中頻度顧客:8人
月1回程度:12人
不定期顧客:7人
このように人数を出すと、自分の顧客基盤の形が見えます。
来店頻度別の割合を円グラフで見る
顧客管理表で来店頻度を分類している場合、人数構成を円グラフにすると分かりやすくなります。
例えば30人の顧客について、
- 週1以上:10%
- 月2〜3回:25%
- 月1回:40%
- 不定期:25%
のように表示します。
数字はあくまで例ですが、一部の高頻度顧客だけで成り立っているのか、幅広い安定顧客がいるのかを視覚的に確認できます。
月初に「今月何回来そうか」を確認する
月初には、過去の来店頻度を参考に今月の予定を見ます。
例えば、
- 普段週1回なのに今月まだ予定がない
- 普段月2回で1回はすでに確定している
- 普段月1回で月末に来ることが多い
などです。
過去のペースが分かれば、無理なく月間予定を組み立てやすくなります。
半月で予定と実績の差を見る
15日前後になったら、普段の来店回数と今月の実績を比較します。
例えば普段月4回程度来る顧客が半月時点で0回なら、少し状況を確認しても良いかもしれません。
一方、普段月1回で月末来店が多い人なら、0回でも問題とは限りません。
同じ「まだ来ていない」でも意味が違います。
月末には来店頻度がどう変わったかを見る
月末になったら、顧客ごとの今月来店回数を確認します。
- 通常通りだった
- 来店頻度が上がった
- 少し下がった
- 大きく下がった
- 今月は来店がなかった
といった変化を把握します。
一度の変化だけで判断せず、翌月以降も続くかを見ます。
数か月並べると顧客の変化が見えやすい
来店頻度は単月より、複数月並べることで意味が出ます。
Aさん
5月:4回
6月:4回
7月:3回
8月:1回
このような推移なら、単月だけを見るより明確な変化が見えます。
反対に、4回・2回・4回・3回のように月ごとの波があるだけなら、その人の通常範囲かもしれません。
来店頻度を見る基本ステップ
- 本指名客ごとの来店日を記録する
- 月ごとの来店回数を集計する
- 週1・月2・月1・不定期などに整理する
- 顧客人数と本指名組数を分けて確認する
- 顧客別に何組作られているかを見る
- 売上比率と来店頻度を一緒に確認する
- 本人の通常ペースとの差を見る
- 頻度が変わった顧客を確認する
- 月末に複数月の推移を比較する
- 翌月の予定と営業へ反映する
来店頻度管理でやりがちな失敗
- 顧客人数だけ見て安心する
- 来店組数だけ見て誰が作ったか確認しない
- 週1顧客ばかりを重要視する
- 月1顧客を軽く扱う
- 不定期顧客を顧客リストから外す
- 一度来店回数が減っただけで失客と考える
- 一度頻度が上がっただけで通常ペースにする
- 全員の来店頻度を上げようとする
- 売上額と来店回数を混同する
- 単月だけ見て長期的な変化を確認しない
自分の顧客構成をチェックする
- 現在の本指名客数が分かる
- 月間本指名組数が分かる
- 顧客別の来店回数が分かる
- 週1程度の顧客が何人いるか分かる
- 月2回程度の顧客が何人いるか分かる
- 月1回程度の顧客が何人いるか分かる
- 不定期顧客を把握している
- 高頻度顧客へ組数が偏っていないか確認している
- 来店頻度と売上比率を別々に見ている
- 頻度が変化した顧客に気づける
- 前月だけでなく複数月を比較している
- 来店ペースを次月の予定へ反映している
来店頻度を管理する目的は回数を増やすことではない
来店頻度を数字で見ると、「もっと来てもらわなければ」と考えやすくなります。
しかし、管理の目的はお客様の来店回数を無理に増やすことではありません。
目的は、
- 普段どのくらい来てくれているかを理解する
- 変化へ早く気づく
- 来月の組数を現実的に考える
- 一部の顧客へ依存しすぎていないかを見る
- 長く続く安定顧客を増やす
ことです。
「たくさん来てもらう管理」ではなく、「その人の来店リズムを理解する管理」と考えてください。
現役店長からのアドバイス
僕がキャストに「本指名のお客様何人いる?」と聞いた時、20人いると言われたとします。
20人というのは大事な数字です。
でも、僕なら次に聞きます。
「その20人って、月に何回来てる人たち?」
ここを見たいです。
例えば20人いる。
でも実際に毎月来るのは5人だけ。
残り15人は2〜3か月に一回。
これなら、顧客数20人という数字から想像するより、月間の土台はまだ薄いかもしれません。
逆に本指名客15人でも、
3人は毎週。
5人は月2回。
7人は月1回。
という状態なら、毎月かなりの本指名組数を作れる可能性があります。
だから顧客人数だけでは分かりません。
それと、僕は月1回来てくれるお客様をすごく大事にしてほしいと思っています。
どうしても毎週来るお客様の方が目立ちます。
本数も売上も大きく見えます。
でも、毎月1回を1年間続けてくれるお客様は12回来ています。
これが10人いれば年間120組です。
かなり大きいですよね。
だから「月1回しか来ない」と考えるのではなく、「毎月1回来てくれている」と見た方がいいです。
そして僕がもう一つ見たいのが変化です。
Aさんは毎週来る。
それが今月1回しか来ていない。
これは少し気になります。
でもBさんは2か月に1回。
今月来ていない。
これは普通かもしれません。
同じ「今月来ていない」でも全然違います。
だから、全員を同じ基準で見ない。
その人自身の過去を見る。
ここが顧客管理の大事なところだと思います。
それと、来店頻度を上げることだけを営業目標にしないでください。
月1回の人へ「月2回来て」と毎月お願いし続ける。
月2回の人へ「毎週来て」と求め続ける。
それが本人の生活ペースに合っていなければ、長続きしない可能性があります。
僕なら、今の顧客の頻度を無理に上げることだけではなく、新しい月1顧客を増やすことも考えます。
一人に月4回来てもらう。
それも強いです。
でも、4人に月1回来てもらう。
これも4組です。
しかも顧客の柱は4本になります。
どちらか一方が正解ではありません。
両方ある方が強いです。
高頻度で来てくれる大切なお客様。
月2回の安定顧客。
毎月1回来てくれる顧客。
不定期でも長く関係が続いている顧客。
こういう人たちが重なって、強い顧客基盤になります。
顧客管理表を見るなら、「何人いる?」だけではなく、ぜひもう一段見てください。
週1は何人。
月2は何人。
月1は何人。
不定期は何人。
そして、その比率は先月とどう変わったか。
顧客数を見るだけの管理から、顧客がどのくらいのリズムで来ているかを見る管理へ進むと、月間売上の安定性がかなり見えやすくなります。
今回のまとめ
キャバクラの顧客管理では、本指名客が何人いるかだけでなく、それぞれのお客様がどのくらいの頻度で来店しているかを確認することが重要です。
同じ顧客20人でも、週1・月2・月1・不定期などの構成によって、毎月作られる本指名組数は変わります。
特に高頻度顧客は月間組数への影響が大きいため、来店頻度の変化にも気づきやすくなります。
一方で、毎月1回来店する顧客も長期的には非常に重要な安定顧客です。
来店頻度が落ちた時は、他のお客様と比べるのではなく、その人自身の普段のペースと比較します。
また、来店頻度を管理する目的は、すべてのお客様の来店回数を無理に増やすことではありません。
その人に合った来店リズムを理解し、高頻度・中頻度・月1・不定期という複数の顧客層で本指名組数を支えられる状態を作ることが重要です。
顧客人数・来店組数・売上・来店頻度を合わせて見ることで、自分の顧客基盤がどこに支えられ、どこを今後育てる必要があるのか判断しやすくなります。