Q. 売上が悪い時、焦って営業を増やした方がいいですか?
A. 行動を増やすこと自体が悪いわけではありません。ただし、焦りのまま営業LINEを増やしたり、お客様へ無理なお願いをしたり、接客態度を変えたりすると、今後の関係まで傷つける可能性があります。
キャストとして働いていれば、思うように売上が伸びない時期はあります。
予定していたお客様が来られなくなることもあれば、指名が重ならない月もあります。
そうした時に焦ること自体は珍しくありません。
問題になるのは、その焦りから普段ならしない行動を始めることです。
売上が悪い時ほど、「何かしなければ」と動く前に、その行動がお客様との関係を傷つけないか確認する必要があります。

売上低迷そのものより「焦って何をするか」が重要
売上が下がったことは、その期間に起きた結果です。
そこから改善することはできます。
しかし、焦った結果、
- 無理な来店営業をする
- お客様へ売上不足を訴える
- 返信がない相手へ何度もLINEする
- 接客中に暗い表情を見せる
- 他のお客様やキャストと比較する
- 急に連絡件数だけを増やす
といった行動をすると、一時的な売上低迷より長く影響することがあります。
売上が悪い時は、数字を戻すことと同時に、既存の信頼を壊さないことも重要です。
低迷時の最優先
売上を戻す
+
信頼を守る
短期の数字だけでなく、その後の関係まで見ます。
やってはいけないこと1|お客様へ無理なお願いをする
数字が不足すると、
「今月あと少しだから来てほしい」
「売上が足りないからボトルをお願いしたい」
と伝えたくなることがあります。
関係性によっては目標について話すこと自体が問題になるとは限りません。
ただし、お客様が断りにくくなるような伝え方や、負担を当然のように求める営業は避けます。
お客様には仕事・家庭・予算・予定があります。
自分の目標が厳しいからといって、お客様側の事情まで変わるわけではありません。
無理なお願いはしない
自分の目標
≠
お客様の都合
↓
負担を押し付けない
仕事・家庭・予算・予定はお客様側にあります。
目標を伝えることと負担を押し付けることは違う
ここは分けて考えます。
例えば普段から応援してくれているお客様との会話で、
「今月もう少し頑張りたいんだ」
と自分の目標を話すことまで否定する必要はありません。
問題なのは、
- 断ったら悪いと思わせる
- 何度も同じお願いをする
- 金額まで指定して求める
- 来られないことを責める
- 応援してくれないと関係が悪くなるような態度を取る
ことです。
目標を共有することと、お客様へ責任を負わせることは別です。
共有と圧力を分ける
目標を話す
○
/
断りにくくする
×
応援を求めることと、責任を負わせることは分けます。
やってはいけないこと2|焦りをLINEへそのまま出す
売上が悪い時は、LINEの内容にも焦りが出やすくなります。
例えば、
「最近全然来てくれないね」
「今月本当に暇」
「もう忘れられた?」
などです。
本人としては軽い冗談のつもりでも、相手には責められているように見える場合があります。
特に返信がない相手へ繰り返すと、LINEそのものが負担になりやすくなります。
自分の焦りを伝えることと、お客様にその焦りを解決してもらおうとすることは分けましょう。
焦りをLINEへ出さない
暇だよ
来てくれない
忘れた?
↓
責める印象
軽い冗談でも、相手には負担になる場合があります。
やってはいけないこと3|送信件数だけを急に増やす
数字が悪くなると、
「もっとLINEを送らなければ」
と考えることがあります。
連絡不足が原因なら、必要なフォローを増やすことは改善になります。
しかし、相手を選ばず、
「今日来れる?」
「暇だよ」
と一斉に送るだけでは、件数は増えても接客後の関係改善にはつながらないことがあります。
増やすべきなのは送信数ではなく、必要な相手への適切な接点です。
件数より接点の質
一斉送信
×
↓
誰に?
なぜ今?
何を伝える?
LINE件数そのものを目的にしません。
やってはいけないこと4|返信がない人を追い続ける
焦っている時ほど、返信がないLINEが気になります。
そこで、
「忙しい?」
「LINE見た?」
「今日どう?」
と短い間隔で送ると、相手に負担を与える可能性があります。
返信がない理由は分かりません。
- 仕事が忙しい
- 家庭の予定がある
- 返信する余裕がない
- 今は来店予定がない
- 単純にLINEを確認していない
可能性があります。
売上が悪い時でも、お客様の返信ペースまで自分の都合に合わせようとしないことが大切です。
返信がない人を追わない
返信なし
↓
短時間で再送 ×
↓
相手のペースを尊重
返信がない理由は決めつけられません。
やってはいけないこと5|売上の焦りを接客態度へ出す
売上が思うように作れない時は、不安や焦りが表情に出ることがあります。
例えば、
- 笑顔が減る
- リアクションが雑になる
- ため息が増える
- フリー席への集中力が落ちる
- 来店予定のないお客様へ冷たくなる
といった変化です。
お客様は、自分が来店する前の売上状況を知りません。
目の前のお客様にとっては、その席で受ける接客がすべてです。
それまでの売上結果を、次のお客様への接客品質へ持ち込まないようにします。
焦りを席へ持ち込まない
売上不調
↓
暗い表情・雑な反応 ×
↓
目の前へ集中
その席のお客様にとっては、その接客がすべてです。
不安を隠し続ける必要はない
売上が悪いからといって、不安をすべて一人で抱える必要はありません。
接客中にお客様へ感情をぶつけることと、スタッフへ相談することは別です。
例えば、
- 最近指名が減っている
- LINEの反応が落ちている
- フリー席から次につながらない
- どのお客様へ連絡するべきか整理できない
- 焦りで接客に集中できない
といった状況なら、店舗の責任者や相談できるスタッフと振り返る方法があります。
感情を我慢するのではなく、出す場所と相手を選ぶことが重要です。
不安は適切に相談
お客様へぶつける ×
/
スタッフへ相談 ○
抱え込まず、接客外で整理します。
やってはいけないこと6|他人の売上と比較し続ける
売上が悪い時ほど、周囲の数字が気になります。
他のキャストが売れていると、
「自分だけダメだ」
「あの子ばかりお客様が来る」
と考えてしまうことがあります。
他のキャストの良い行動を参考にすることはできます。
しかし、顧客層・在籍期間・出勤日数・経験・関係性が違えば、数字だけを単純比較しても改善策にはなりません。
比較するなら他人の数字より、自分の過去の行動と現在の行動を比べた方が改善点を見つけやすくなります。
他人と比べ過ぎない
他キャストの数字
↓
条件が違う
/
自分の過去
→ 改善点が見える
参考にはしても、単純比較で自分を判断しません。
やってはいけないこと7|目の前の売上だけでお客様を扱う
売上が悪い時は、金額の大きなお客様ばかりを意識してしまうことがあります。
しかし、今すぐ大きな売上にならないからといって、フリーのお客様や久しぶりのお客様への接客を雑にしてはいけません。
現在の売上額と、今後関係が続く可能性は同じではありません。
売上が苦しい時ほど、「今いくら使う人か」だけで接客の質を変えないことが重要です。
金額で接客を変えない
高額客
○
フリー客
○
久しぶり客
○
現在の金額と将来の関係は同じではありません。
売上が悪い時にやるべきこと1|まず数字を分解する
焦って行動する前に、何が落ちているのかを確認します。
例えば、
- 出勤日数
- 指名来店
- 新しいお客様との接点
- 連絡先交換
- 接客後のフォロー
- 来店予定
- 既存客の来店頻度
などを確認します。
「売上が悪い」という大きな問題のまま考えると、何を改善するべきか分かりません。
売上を具体的な行動へ分解すると、必要以上に焦らず対策を考えられます。
まず数字を分解
出勤
指名来店
新規接点
連絡先交換
フォロー
来店予定
『売上が悪い』のままでは改善点が見えません。
売上が悪い時にやるべきこと2|止まっている基本行動を確認する
売上を戻そうとして、新しい営業方法を探したくなることがあります。
しかし、その前に基本が止まっていないか確認します。
- 接客後のお礼LINE
- 顧客メモ
- 約束した連絡
- 以前の会話のフォロー
- 来店予定の確認
- フリー席での接客
- スタッフとの情報共有
こうした日常の仕事が滞っているなら、まずそこを戻します。
売上低迷時ほど、派手な対策より基本業務の抜けを確認することが重要です。
止まった基本を戻す
お礼
顧客メモ
約束
来店確認
フリー接客
共有
新施策より先に、日常業務の滞りを確認します。
売上が悪い時にやるべきこと3|連絡する相手と理由を整理する
営業LINEそのものを止める必要はありません。
ただし、
「売上が足りないから全員へ送る」
という考え方から、
「今、誰に、何のために連絡するのか」
へ変えます。
例えば、
- 前回の会話の続きを連絡する
- 以前聞いていた予定の後に連絡する
- しばらく連絡していないお客様へ自然に近況を聞く
- 来店予定について確認する
- 来店後のお礼をきちんと送る
などです。
焦って営業量を増やすより、連絡する理由を明確にした方が自分本位なLINEを防ぎやすくなります。
誰に・何のために
全員へ送る
×
↓
相手を選ぶ
理由を作る
↓
自然な連絡
営業LINE自体ではなく、目的と相手を整理します。
売上が悪い時にやるべきこと4|一つだけ改善項目を決める
焦ると、すべてを一気に変えたくなります。
しかし、
- LINEの件数を増やす
- SNSを増やす
- 出勤を増やす
- 接客方法を変える
- 営業方法を全部変える
と同時に動くと、何が改善につながったのか分かりにくくなります。
まずは、
「新しく会ったお客様へのフォローを確実にする」
など、一つから始めます。
改善策は焦って増やすより、実行できる単位まで小さくした方が継続しやすくなります。
改善は1つだけ
全部変える
×
↓
1項目を選ぶ
↓
一定期間試す
何が効いたか分かるように小さく試します。
「何もしない」と「無駄なことをしない」は違う
売上が悪い時に焦った営業を避けると言っても、何もせず待てばよいわけではありません。
必要なのは、
- 状況を確認する
- 原因を整理する
- 必要な連絡をする
- 接客を丁寧に続ける
- 新しいお客様との接点を作る
- 改善点を実行する
ことです。
止めるべきなのは営業そのものではなく、焦りから生まれた意味の薄い行動です。
何もしないわけではない
状況確認
原因整理
必要な連絡
丁寧な接客
新しい接点
↓
必要行動は続ける
無駄な行動を止め、必要な行動へ集中します。
ケーススタディ|売上不足を埋めるため営業LINEを増やした場合
あるキャストは、月の途中で目標との差が大きいことに焦りを感じました。
そこで、普段ほとんど連絡していないお客様も含めて、
「今日来れない?」
「今月ピンチだから助けて」
と多くのLINEを送ります。
しかし、期待したほど返信はありません。
返信がないことでさらに焦り、同じお客様へ再度連絡しようとしました。
そこで一度行動を止め、次のように整理します。
- 売上が落ちている原因を確認する
- 連絡できていない既存客を整理する
- 新しく会ったお客様へのフォロー漏れを確認する
- すでに営業LINEを送った相手へは少し間を置く
- 前回の会話から自然に連絡できる相手を選ぶ
- 営業中は目の前の接客へ集中する
すると、「もっと送る」以外にも改善できることが見えてきます。
売上が悪い時の立て直しは、焦りを行動量へ変えることではなく、必要な行動を選び直すことから始まります。
ケース|LINEを増やし過ぎた
焦る
↓
大量LINE
↓
反応なし
↓
一度整理
↓
必要な相手へ
量を増やす前に、行動の選択を見直します。
売上が悪い時の行動チェックリスト
- □ 売上不足を理由に無理なお願いをしていない
- □ お客様へ売上の責任を負わせていない
- □ 焦りをそのままLINEへ書いていない
- □ 返信がない相手へ連続送信していない
- □ LINEの件数だけを急に増やしていない
- □ 売上の焦りを接客態度へ出していない
- □ 他のキャストとの比較ばかりしていない
- □ お客様を金額だけで判断していない
- □ 数字が悪い原因を分解している
- □ 基本行動の抜けを確認している
- □ 今連絡する相手と理由を整理している
- □ 必要なら店舗スタッフへ相談している
現役店長の考え
現場で売上が落ちているキャストを見ると、問題そのものより、その後の行動で差が出ると感じます。
焦っている時は、何か大きなことをしなければならないように感じます。
しかし実際には、
お礼を送れていない。
顧客メモが止まっている。
以前の約束を確認していない。
フリー席への集中力が落ちている。
といった基本部分に原因が見つかることもあります。
売上が悪いからといって、お客様へ強く営業すれば解決するとは限りません。
「売上を作らなければ」ではなく、「今の自分の仕事のどこを直せば、次の結果につながるか」と考えることが大切です。
店長が見る立て直し
売上不足
↓
基本を点検
↓
詰まりを特定
↓
必要行動を修正
焦りではなく、仕事のどこを直すかで考えます。
そして焦りを一人で抱えて判断が崩れているなら、スタッフへ相談してください。
売上が悪い時こそ、一人で暴走しないことも仕事の一部です。
まとめ
売上が悪い時に焦ること自体は珍しくありません。
しかし、その焦りからお客様との信頼を傷つける行動を取らないことが重要です。
- 売上不足をお客様へそのまま押し付けない
- 目標共有と無理なお願いを分ける
- 焦りを感情的なLINEへ変えない
- 送信件数だけを急に増やさない
- 返信がない相手を追い続けない
- 焦りを接客態度へ出さない
- 不安は一人で抱え込まず適切な相手へ相談する
- 他人との数字比較だけで自分を判断しない
- お客様を現在の売上額だけで見ない
- まず売上低迷の原因を分解する
- 止まっている基本行動を戻す
- 必要な相手へ、理由のある連絡をする
焦る → 無理に動く、ではなく、確認する → 原因を整理する → 信頼を傷つけない方法を選ぶ → 必要な行動を実行する。
今回のまとめ
確認
↓
原因整理
↓
信頼を守る方法
↓
必要な行動
↓
実行
短期の数字と長期の信頼を同時に守ります。
売上が悪い時ほど、短期的な数字だけを取り戻そうとせず、今あるお客様との関係と自分の接客を守りながら立て直していくことが大切です。