キャバクラやラウンジなどで働いていると、「マーテル」「マーテルVS」という名前を聞くことがあります。
マーテル V.Sは、フランスのコニャック地方で造られるV.Sクラスのコニャックです。
アルコール度数は40度。V.Sは「Very Special」の略で、コニャックの熟成区分では、ブレンドに使われる最も若いオー・ド・ヴィーでも2年以上熟成している必要があります。
マーテル V.Sの特徴は、プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンを思わせる豊かな果実香と、滑らかでエレガントな味わいです。
さらにマーテルでは、澱を取り除いたクリアなワインだけを蒸留するという独自のスタイルを採用しており、この製法がフルーティーで豊かな香りにつながっています。
この記事では、マーテル V.Sとはどんなお酒なのか、V.Sの意味、40度・2年以上熟成という基本情報、マーテル独自の蒸留方法、味や香り、おすすめの飲み方から、マーテル V.S.O.PやX.Oとの違い、キャスト・黒服が夜職で覚えておきたいポイントまで分かりやすく解説します。
マーテル V.Sとは?
マーテル V.Sは、マーテルのラインナップを理解するうえで基本となるコニャックです。
マーテルは1715年に創業した歴史あるコニャックメゾンで、現在もV.S、V.S.O.P、コルドンブルー、X.Oなど幅広い商品を展開しています。
その中でもV.Sは、長期熟成による重厚さよりも、果実の明るく豊かな香りを感じやすいスタイルです。
マーテル公式では、プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンを思わせる強い香りと、滑らかでフルーティーな味わいが特徴として紹介されています。
夜職初心者なら、まず「マーテル V.S=40度のコニャック。プラム・アプリコット・砂糖漬けレモンのような果実香が特徴」と覚えておけば十分です。

V.Sとは何の意味?
V.Sは「Very Special」の略です。
コニャックでは、異なる熟成年数を持つ複数のオー・ド・ヴィーをブレンドして一つの商品を造ることがあります。
V.Sを名乗る場合、ブレンドに使われる最も若いオー・ド・ヴィーでも、オーク樽で最低2年以上熟成している必要があります。
ここで注意したいのが、「ボトルの中身すべてが2年熟成」という意味ではないことです。
より長く熟成したオー・ド・ヴィーが組み合わされることもあります。
夜職では、「V.S=Very Special=最も若い原酒でも2年以上」と覚えておきましょう。
アルコール度数は40度
マーテル V.Sのアルコール度数は40度です。
- 種類:コニャック
- 大分類:ブランデー
- 原産国:フランス
- アルコール度数:40度
- 熟成区分:V.S
- V.Sの最低熟成基準:最も若い原酒でも2年以上
- 香りの目印:プラム・アプリコット・砂糖漬けレモン
- 特徴:滑らかでフルーティー
マーテル V.S.O.PやX.Oも40度なので、熟成区分が上がるほどアルコール度数も上がるわけではありません。
夜職では、「V.S・V.S.O.P・X.Oは熟成区分の違いで、度数とは別」という基本を理解しておきましょう。
マーテル V.Sはウイスキーではなくコニャック
マーテル V.Sはウイスキーではありません。
大きな分類ではブランデーに入り、その中でもフランスのコニャック地方で定められた基準に沿って造られるものがコニャックです。
ウイスキーは主に大麦やトウモロコシなどの穀物から造られますが、コニャックはブドウから造ったワインを蒸留して造ります。
夜職では、「マーテル=ブドウから造るコニャック」という分類を最初に正確に覚えておきましょう。
マーテル最大の特徴はクリアワインだけを蒸留すること
マーテルというブランドを理解するうえで重要なのが、蒸留前のワインの扱いです。
マーテルでは、ワインの中に残る澱を取り除いたクリアなワインだけを蒸留します。
マーテル公式では、主要なコニャックメゾンの中でも、この方法を一貫して採用していることをブランドの大きな特徴として説明しています。
この製法によって、重たい香味よりも、果実そのものを思わせるクリアで豊かなアロマを表現しやすくなります。
黒服なら、「マーテル=澱を取り除いたクリアワインのみを蒸留」と覚えておくと、他のコニャックブランドとの違いを説明しやすくなります。
なぜマーテル V.Sはフルーティーなのか?
マーテル V.Sの大きな特徴は、果実の香りが非常に分かりやすいことです。
その背景の一つに、先ほど紹介したクリアワインのみを蒸留する方法があります。
澱を取り除いて蒸留することで、マーテルでは果実由来のアロマをより明確に表現することを重視しています。
マーテル V.Sでは、その特徴がプラム、アプリコット、砂糖漬けレモンなどを思わせる香りとして現れます。
夜職では、「マーテルVS=クリアワイン蒸留→豊かな果実香」という流れで覚えると理解しやすいでしょう。
マーテル V.Sの味・香りの特徴
マーテル V.Sは、明るく豊かな果実香と滑らかな口あたりが特徴です。
- プラムを思わせる熟した果実香
- アプリコットを思わせる甘く華やかな香り
- 砂糖漬けレモンを思わせる甘酸っぱい柑橘香
- 豊かでフルーティーなアロマ
- 滑らかな口あたり
- エレガントでバランスのよい味わい
- 明るくクリアなゴールドカラー
お客様から「マーテルVSってどんな味?」と聞かれた場合は、「プラムやアプリコットみたいな果実の香りに、砂糖漬けレモンのような甘い柑橘感がある、滑らかでフルーティーなコニャックです」と説明すると分かりやすいでしょう。
プラムとアプリコットが香りの中心
マーテル V.Sを覚えるうえで、最も分かりやすいのがプラムとアプリコットです。
プラムを思わせる熟した果実感と、アプリコットの甘く柔らかな香りが、マーテル V.Sのフルーティーな印象を作っています。
若い熟成区分ではありますが、単純に軽いだけではなく、果実の豊かさをしっかり感じられるスタイルです。
夜職では、まず「マーテルVS=プラム+アプリコット」から覚えると簡単です。
砂糖漬けレモンのような柑橘香
プラムやアプリコットに加えて、マーテル V.Sでは砂糖漬けレモンを思わせる香りも特徴です。
生のレモンのように鋭い酸味ではなく、柑橘の爽やかさに甘さが加わったようなニュアンスです。
この香りが加わることで、熟した果実の甘さだけでなく、明るく爽やかな印象も生まれます。
夜職では、「プラム・アプリコット+甘いレモン」と覚えると香味を説明しやすくなります。
滑らかでエレガントな口あたり
マーテル V.Sは果実香だけでなく、滑らかな口あたりも特徴です。
40度の蒸留酒なのでアルコール感はありますが、香味全体はフルーティーでバランスよくまとめられています。
マーテル公式でも、滑らかでエレガント、香り豊かなコニャックとして紹介されています。
夜職では、「マーテルVS=フルーティー+滑らか」という2つを基本として覚えておきましょう。
色はクリアで豊かなゴールド
マーテル V.Sは、明るくクリアなゴールドカラーをしています。
長期熟成のX.Oなどと比べると比較的明るい色調で、若々しくフレッシュな印象があります。
夜職では、ボトルだけでなく、グラスに注いだときの色も銘柄を理解する補助情報として覚えておくとよいでしょう。
マーテル V.Sのおすすめの飲み方
マーテル公式では、V.Sは特にロングドリンクやカクテルで楽しみやすいコニャックとして紹介されています。
ストレート
プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンなど、マーテル V.S本来の果実香を確認しやすい飲み方です。
銘柄そのものの味を知りたい場合には、まず少量をストレートで確認すると特徴を理解しやすくなります。
ロック
氷を加えることで温度が下がり、アルコールの刺激を穏やかにしながら楽しめます。
時間とともに氷が溶けることで、果実香や甘さの変化も感じられます。
ロングドリンク
マーテル V.Sは、割り材と合わせるロングドリンクにも向いています。
フルーティーな香りがあるため、爽やかな飲み方にしても銘柄の個性を感じやすいのが特徴です。
カクテル
マーテル公式でも、V.Sはカクテルに適したコニャックとして紹介されています。
若々しい果実香と滑らかな味わいがあるため、さまざまな材料と組み合わせやすいスタイルです。
夜職では、銘柄だけで飲み方を決めつけず、お客様が希望する飲み方を確認して提供しましょう。
マーテル V.SとV.S.O.Pの違いは?
同じマーテルでも、V.SとV.S.O.Pでは熟成区分と香味の方向性が異なります。
- マーテル V.S:V.Sクラス。プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンを中心とした明るくフルーティーな味わい
- マーテル V.S.O.P:V.S.O.Pクラス。ミラベルプラム、アプリコット、桃などの熟した黄色系果実と、繊細なウッディさ、やわらかなスパイス感が特徴
夜職初心者なら、「VS=明るくフルーティー」「VSOP=より熟した果実+繊細な樽+スパイス」と覚えると分かりやすいでしょう。
マーテル V.SとX.Oの違いは?
V.SとX.Oでは、熟成区分だけでなく味わいの複雑さにも大きな違いがあります。
- マーテル V.S:プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンを中心としたフレッシュで滑らかなスタイル
- マーテル X.O:イチジク、赤い果実、ペッパー、クルミ、サンダルウッドなどが重なる、力強く複雑なスタイル
夜職では、「VS=果実中心でフレッシュ」「XO=長期熟成で果実・スパイス・ナッツ・木が複雑に重なる」と整理すると理解しやすくなります。
V.S・V.S.O.P・X.Oの違いをまとめると?
コニャック初心者が最初に覚えておきたいのが、V.S、V.S.O.P、X.Oという代表的な熟成区分です。
- V.S:最も若い原酒でも2年以上熟成
- V.S.O.P:最も若い原酒でも4年以上熟成
- X.O:最も若い原酒でも10年以上熟成
熟成区分が上だから必ず自分の好みに合うという意味ではありません。
若いV.Sにはフレッシュな果実感という魅力があり、V.S.O.PやX.Oでは熟成による深さや複雑さが増していきます。
夜職では、まずこの3つを混同せずに商品を確認できることが重要です。
マーテル V.Sとカミュ V.Sの違いは?
同じV.Sクラスでも、ブランドによって香味は異なります。
- マーテル V.S:プラム・アプリコット・砂糖漬けレモンを中心とした、滑らかでエレガントなスタイル
- カミュ V.S:パイナップル・桃・マンゴー・洋梨、花、スパイス、スイートアーモンドなどを感じる非常にフルーティーなスタイル
夜職では、「マーテルVS=プラム・アプリコット・レモン」「カミュVS=南国系果実・桃・アーモンド」と整理すると比較しやすいでしょう。
マーテル V.Sとクルボアジェ V.Sの違いは?
クルボアジェ V.Sも40度の代表的なV.Sコニャックです。
- マーテル V.S:プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンを思わせる豊かな果実香
- クルボアジェ V.S:リンゴ、洋梨、グレープフルーツ、春の花、フレッシュオークを思わせる明るく華やかな香味
夜職では、「マーテル=プラム・アプリコット」「クルボアジェ=リンゴ・洋梨・花」と覚えると区別しやすくなります。
夜職ではマーテル V.Sをどう覚える?
マーテル V.Sについて、細かな製造工程まで最初からすべて暗記する必要はありません。
まずは、コニャック、40度、Very Special、2年以上、クリアワイン蒸留、プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンというポイントをセットで覚えましょう。
「40度のV.Sコニャックで、最も若い原酒でも2年以上熟成。プラムやアプリコット、砂糖漬けレモンのような果実香が強く、滑らかでフルーティーなタイプです」と説明できれば、接客で必要な基本として十分です。
キャストが覚えておきたいポイント
- マーテル V.Sはコニャック
- アルコール度数は40度
- V.S=Very Special
- 最も若い原酒でも2年以上熟成
- プラムを思わせる果実香
- アプリコットを思わせる甘い香り
- 砂糖漬けレモンを思わせる柑橘香
- 滑らかでフルーティー
- V.S.O.PやX.Oとは熟成区分が違う
- ロングドリンクやカクテルにも向いている
お客様から「マーテルVSってどんなお酒?」と聞かれた場合は、
「40度のコニャックで、プラムやアプリコットみたいな果実の香りと、甘いレモンのような爽やかさがある、滑らかでフルーティーなタイプです」
と説明できれば十分です。
黒服が覚えておきたいポイント
黒服はキャストより一段深く、マーテル独自の蒸留方法まで理解しておきましょう。
- マーテルは1715年創業のコニャックメゾンであること
- マーテル V.Sは40度であること
- V.SはVery Specialの略であること
- 最も若い原酒でも2年以上熟成が必要であること
- マーテルは澱を取り除いたクリアワインだけを蒸留すること
- プラム・アプリコット・砂糖漬けレモンが香りの目印であること
- 滑らかでフルーティーなスタイルであること
- ロングドリンクやカクテルにも向いていること
- V.S.O.P・X.Oとの違いを説明できること
- 自店舗での価格・提供方法を把握すること
新人キャストから「マーテルVSとVSOPは何が違いますか?」と聞かれた場合は、
「熟成区分が違うよ。VSは最も若い原酒でも2年以上、VSOPは4年以上。VSはプラムやアプリコットみたいな明るい果実香が分かりやすくて、VSOPはもっと熟した果実や樽、スパイスを感じるよ」
と説明できれば、現場で必要な基本として十分です。
初心者はここだけ覚えれば十分
マーテル V.Sについて、細かな製造工程まで最初から覚える必要はありません。
夜職初心者なら、まず次の6つを覚えましょう。
- マーテル V.Sはコニャック
- アルコール度数は40度
- V.S=Very Special
- 最も若い原酒でも2年以上熟成
- プラム・アプリコット・砂糖漬けレモンが香りの目印
- 滑らかでフルーティーな味わい
特に「40度」「V.S」「2年以上」「プラム」「アプリコット」「砂糖漬けレモン」というポイントを押さえておけば、接客や新人教育で困りにくくなります。
まとめ
マーテル V.Sは、フランスのコニャック地方で造られるV.Sクラスのコニャックです。
アルコール度数は40度。V.Sは「Very Special」の略で、最も若いオー・ド・ヴィーでも2年以上熟成する熟成区分です。
マーテルでは、澱を取り除いたクリアなワインのみを蒸留する独自のスタイルを採用しており、それが豊かで明確な果実香につながっています。
プラム、アプリコット、砂糖漬けレモンを思わせる強い果実香と、滑らかでエレガントな味わいが大きな特徴です。
キャストは、「40度」「V.S」「2年以上」「プラム・アプリコット・レモン」「フルーティー」という基本を押さえ、お客様へ簡潔に説明できるようにしましょう。
黒服はさらに、クリアワインのみを蒸留するマーテル独自の考え方、V.S.O.P・X.Oとの違い、自店舗での価格や提供方法まで理解しておくことが重要です。
マーテル V.Sは、夜職でコニャックのV.Sという熟成区分と、マーテルらしい果実中心のスタイルを学ぶうえで覚えておきたい基本の一本です。