この講義で学べること
スタッフ面談で課題や目標を決めても、その後一度も確認しなければ、面談の効果は続きません。
面談直後は本人も「やります」「改善します」と意識が上がっていても、営業が続けば目の前の仕事に追われ、決めた行動が後回しになることがあります。
店長側も同じです。
面談では支援すると約束したのに、その後忙しさを理由に確認しなくなれば、本人だけへ責任を押し付けることになります。
面談後フォローの目的は、部下を監視することではありません。面談で決めたことを実行へつなげ、必要なら途中で修正し、成長を確認できる状態を作ることです。
面談後に確認する7つのこと
- 行動|面談で決めたことを実行しているか
- 進捗|目標へ向けてどこまで進んでいるか
- 障害|何につまずいているのか
- 変化|以前と比べて行動が変わったか
- 支援|店長側の約束を実行しているか
- 修正|目標や方法を変える必要があるか
- 次回|いつ再確認するのか

面談は「終わった瞬間」から管理が始まる
面談を行うと、「良い話ができた」「本人も納得していた」と安心しやすくなります。
しかし、面談時の納得と、現場で行動できることは別です。
本人が理解していても、営業中に実践できないことがあります。
そのため、面談の評価はその場ではなく、その後の行動で確認します。
最初に「何を後追いするのか」を決める
面談後に全部を見る必要はありません。
今回の面談で最も重要だった行動を絞ります。
例えば、
- 期限前に進捗報告する
- 問題の兆候段階で相談する
- 担当スタッフの業務完了を確認する
- 新人へ一人で基本業務を教える
- 担当数字を週1回確認する
などです。
後追い対象が曖昧だと、店長側も何を確認すればよいのか分からなくなります。
確認日は面談中に決めておく
「また今度確認する」では、ほとんどの場合そのままになります。
面談終了時に次回確認日を決めておきます。
- 数日後
- 1週間後
- 月末
- 次回定期面談
など、課題の大きさに合わせて設定します。
課題によって確認頻度を変える
すべての目標を同じ頻度で確認する必要はありません。
例えば、報告のタイミング改善であれば数日単位で確認できます。
一方、新人教育を一人で任せられるようになるという目標なら、数週間単位で見ることもあります。
店舗や本人の状態によって異なりますが、変化を確認できる適切な間隔を設定します。
最初は確認頻度を高くする
新しい行動を始めた直後は、本人もまだ慣れていません。
そのため、最初から1か月後まで放置するより、初期は確認頻度を高くした方が修正しやすくなります。
安定してできるようになったら、徐々に確認間隔を広げます。
「できた?」だけで確認しない
進捗確認で「ちゃんとやってる?」と聞くだけでは、詳しい状態が分かりません。
例えば、
- 何を実行したか
- 何回できたか
- どこで難しかったか
- 以前と何が変わったか
- 次に何をするか
を確認します。
本人の感覚だけでなく、具体的な行動へ落とします。
結果より先に行動を確認する
設定した目標によっては、結果が出るまで時間がかかります。
結果がまだ出ていないからといって、すぐに未達と判断してはいけません。
まず、面談で決めた行動を実行できているか確認します。
- 必要な行動をしているが結果が出ていない
- そもそも行動していない
この二つでは、店長の対応が変わります。
行動しているのに結果が出ない場合
本人が決めた行動を継続しているのに結果が出ない場合、すぐに「もっと頑張れ」とは言いません。
方法が正しいか確認します。
- 行動量が足りない
- やり方が間違っている
- 別の障害がある
- 結果が出るまで時間が必要
- 目標設計そのものが適切ではない
可能性を分けて考えます。
行動していない場合は理由を確認する
約束した行動をしていない場合も、すぐに「やる気がない」と判断しません。
まず原因を確認します。
- 忘れていた
- やり方が分からなかった
- 他業務が優先された
- 必要性を理解していなかった
- 本人が納得していなかった
- 実行する機会がなかった
原因によって、再説明・教育・仕事量調整・目標修正など対応を変えます。
本人だけでなく店長側の行動も確認する
面談で店長が支援を約束していた場合、その実施状況も確認します。
例えば、
- 新しい仕事を経験させる
- ロープレをする
- 週1回確認する
- 必要な資料を渡す
- 役職者を教育担当に付ける
と決めていたなら、店長側も実行する必要があります。
本人だけへ約束を守らせ、上司側が忘れる状態では信頼を失います。
店長が支援しすぎない
フォローという言葉から、店長がすべて助ける状態になることがあります。
しかし、本人が自分で考える前に毎回答えを与えると、自立につながりません。
必要な情報や経験は渡しますが、本人が判断できる部分まで店長が奪わないようにします。
確認と監視を混同しない
進捗確認が細かすぎると、本人からすると常に監視されているように感じる場合があります。
特に安定して自走できるスタッフへ毎日細かく報告させる必要はありません。
本人の成長段階に合わせて管理強度を変えます。
「任せる」と「放置する」は違う
逆に、「本人を信じて任せている」という理由でまったく確認しないことも問題です。
任せるとは、本人に実行と判断を渡しながら、必要なタイミングで結果を確認することです。
確認期限まで決めずに渡す状態は、任せるというより放置に近くなります。
小さな改善も確認する
目標を完全達成していなくても、以前より改善している場合があります。
例えば、以前は問題が発生した後にしか報告できなかったスタッフが、今回は問題になる直前に相談できたとします。
最終目標には届いていなくても、行動は前進しています。
その変化を具体的に伝えることで、本人も何を続ければよいか理解できます。
改善したら確認頻度を下げる
一度できただけではなく、安定して継続できるようになったら、店長の確認を減らします。
最終的には、本人が自分で確認・修正できる状態を目指します。
店長がずっと後追いし続けなければできない状態では、まだ自立とは言えません。
同じ課題が続くときは方法を変える
何度面談しても同じ課題が改善しない場合、同じ説明を繰り返すだけでは変わらないことがあります。
例えば、
- 説明方法を変える
- 実際にやらせて確認する
- ロープレへ変える
- 担当業務を小さく分ける
- 別の教育担当を付ける
- 確認頻度を変える
など、育成方法を修正します。
目標そのものが間違っている場合もある
一度決めた目標だからといって、最後まで必ず同じ内容を続ける必要はありません。
途中で状況が変わることがあります。
- 担当業務が変わった
- 店舗の優先課題が変わった
- 本人の現在地を見誤っていた
- 経験機会を用意できなくなった
場合は、目標を修正します。
ただし、本人が大変そうだからという理由だけで安易に下げるのではなく、変更理由を明確にします。
新しい問題が出ても元の課題を忘れない
店舗では毎日のように新しい問題が起きます。
そのたびに面談テーマを変えていると、以前決めた課題が消えてしまいます。
新しい問題を扱う必要があっても、前回課題の進捗は確認します。
フォロー内容を記録へ追記する
確認した結果も、面談記録へ追記しておくと継続管理しやすくなります。
- 実行済み
- 一部実行
- 未実行
- 改善確認
- 目標修正
- 次回継続確認
など、状態が分かる形で残します。
面談履歴を「注意回数」の管理にしない
後追い記録が「何回注意したか」だけになると、育成より処罰の記録に近くなります。
重要なのは、何回言ったかではなく、
- 何を伝えたか
- 本人はどう行動したか
- 何が改善したか
- なぜ改善しなかったか
- 次に何を変えるか
です。
大きな問題になる前に再面談する
進捗確認で問題が見えた場合、次の定期面談まで待つ必要はありません。
必要であれば早めに短い面談を行います。
課題が小さいうちに修正した方が、本人も店舗も負担が少なく済みます。
達成したら必ず言葉で確認する
スタッフが目標を達成しても、店長が何も伝えないと本人は評価されているか分かりません。
「前回課題だった報告が、この1か月は期限前にできている」と具体的に確認します。
何が良くなったのかを言葉にすることで、本人も正しい行動を認識できます。
達成した目標をいつまでも追わない
一度できるようになったことを、何か月も同じ目標として持たせ続ける必要はありません。
安定して再現できるようになったら、その目標は完了とします。
そのうえで、次の役割や能力へ進みます。
次の目標は現在地から決め直す
面談後フォローは、最終的に次の育成テーマへつなげます。
例えば、
- 自分の仕事を期限内に完了できる
- 自分から進捗報告できる
- 他人へ仕事を任せられる
- 任せた仕事を後追いできる
- 複数人の進捗を管理できる
というように、できることが増えるたび次の段階へ進めます。
面談後フォローでよくある失敗
失敗1|面談しただけで満足する
本人の行動が変わったか確認できません。
失敗2|次回確認日を決めない
忙しさの中で後追い自体を忘れます。
失敗3|結果だけを見る
正しい行動を実行している途中経過を見落とします。
失敗4|「やってない」で終わる
行動できなかった原因を確認できません。
失敗5|店長側の支援を忘れる
本人だけに約束を守ることを求める状態になります。
失敗6|細かく管理しすぎる
本人が自分で考える機会を失い、指示待ちになります。
失敗7|同じやり方を繰り返す
改善しない原因に合わない育成方法を続けることになります。
面談後フォローの7ステップ
- 決めた行動を確認する
本人が何をすると約束したのか整理します。 - 確認時期を設定する
課題に合わせて適切な確認日を決めます。 - 実行状況を確認する
結果だけでなく行動そのものを見ます。 - 障害を確認する
できていない場合は原因を整理します。 - 店長側の支援を確認する
上司の約束も実行できているか見ます。 - 必要なら方法を修正する
行動・教育・目標・確認方法を調整します。 - 達成確認と次の目標へ進む
成長を言葉で確認し、次の段階を設定します。
店長用|面談後フォローチェックリスト
- 面談で決めた本人の行動を確認したか
- 店長側の支援内容を確認したか
- 次回確認日を決めたか
- 課題に合った確認頻度になっているか
- 結果だけでなく行動を見ているか
- できていない理由を確認したか
- 小さな改善も確認したか
- 店長自身の約束を実行したか
- 支援しすぎていないか
- 放置になっていないか
- 同じ課題が続く場合に方法を変えたか
- 必要なら目標を修正したか
- フォロー結果を記録したか
- 達成した内容を本人へ伝えたか
- 完了した目標を終了できているか
- 次の成長目標へ進めたか
面談後フォローができている完成基準
面談後フォローができている状態とは、店長が部下を毎日細かくチェックしている状態ではありません。
次の状態になっていることが重要です。
- 面談後に本人が何をするか明確になっている
- 確認時期が決まっている
- 行動の実行状況を確認できる
- 未実行の原因を整理できる
- 小さな行動変化を確認できる
- 店長側の支援も実行されている
- 必要に応じて方法を修正できる
- 安定したら確認頻度を下げられる
- 達成した目標を完了扱いにできる
- 次の成長テーマへ進められる
店長の面談は「話す仕事」ではなく「変化を確認する仕事」
スタッフ面談では、伝え方や質問の仕方に目が向きやすくなります。
しかし、本当に重要なのはその後です。
本人が面談で理解した内容を現場で実行し、以前とは違う行動ができるようになったのか。
できなかった場合は、本人だけの問題なのか、教え方や支援方法にも問題があるのか。
そこまで確認して初めて、面談が育成として機能します。
良い面談とは「良い話ができた面談」ではありません。面談後に現場の行動が変わり、その変化を店長が確認できた面談です。
まとめ
キャバクラ店長がスタッフ面談を行ったあとは、決めた目標や行動を必ず後追いします。
確認日を決め、本人が行動を実行したか、どこでつまずいているか、以前と比べて何が変わったかを確認します。
また、店長側が約束した支援も同時に確認し、必要であれば目標・教育方法・確認頻度を修正します。
面談を「話して終わる時間」にせず、「行動が変わるまで継続して管理する仕組み」にすることが、店長に必要な面談後フォローの基本です。