イベント月の売上を実力だと思っていい?|トップキャストが通常月の基礎売上を見極める方法【キャスト学科・現役店長監修】

この講義で学べること

キャバクラでは、バースデーや店舗イベントがある月に売上が大きく伸びることがあります。

普段100万円前後だったキャストが、イベント月に200万円、300万円と売ることもあります。

もちろん、その数字を作れたことは立派な結果です。

しかし、イベント月の売上をそのまま「毎月作れる自分の実力」と考えると、翌月以降の目標設定を間違えることがあります。

イベントでは、普段より来店が集中したり、お客様が特別に高額利用してくれたり、何か月分かの応援が一日に集まったりすることがあるからです。

トップキャストを長く続けるためには、「イベントで作った売上」と「通常営業で安定して作れる売上」を分けて確認することが重要です。

この講義では、イベント月の数字をどう見ればよいのか、通常月の基礎売上をどう判断し、翌月以降へつなげればよいのかを解説します。

最初に覚えておきたいポイント

  • イベント売上も自分が作った立派な結果
  • ただし通常月の基礎売上とは分けて見る
  • 一度だけの高額利用を翌月の前提にしない
  • イベント後に何人のお客様が残るかを見る
  • 新規本指名客が増えたか確認する
  • イベント翌月の反動を想定する
  • 通常営業でも作れる顧客基盤を育てる
イベント月の売上と通常月の基礎売上を分けて分析し、ナンバー上位を安定して維持する考え方をまとめた図解

イベント月の売上は「実力ではない」のか?

イベントで大きな売上を作ったからといって、「それは実力ではない」と考える必要はありません。

お客様へ来店してもらい、応援してもらい、実際に売上を作るまでには、それまでの接客や信頼関係があります。

そのため、イベント売上もキャストが積み上げてきた結果の一つです。

ただし、「イベントで300万円売ったから、来月から毎月300万円が通常ライン」と考えるのは別の話です。

イベントには通常営業とは異なる条件が含まれるため、同じ数字が毎月再現できるとは限りません。

イベント月はなぜ売上が大きくなりやすい?

イベント月には、普段とは違う売上の動きが起こります。

  • 普段より多くのお客様へ来店をお願いする
  • 久しぶりのお客様が来店する
  • 複数のお客様が同じ日に集中する
  • いつもより高額なボトルが入る
  • お祝いとして通常以上に利用してくれる
  • 何か月分かの来店がイベントへ集中する

このような要素が重なるため、通常月より売上が大きくなりやすくなります。

通常月の「基礎売上」とは?

ここでいう基礎売上とは、特別なイベントや一時的な高額利用がなくても、普段の顧客基盤から安定して作れている売上のことです。

正式な業界用語として統一された数字ではなく、自分の売上を分析するための考え方として捉えてください。

例えば、直近の通常月が次のような状態だったとします。

  • 4月:110万円
  • 5月:105万円
  • 6月:120万円
  • 7月バースデー:280万円

この場合、280万円をそのまま毎月の通常実力と考えるより、イベント前の100万円台前半が現在の基礎売上に近い可能性があります。

数字はあくまで一例です。

イベント前の数か月を確認する

イベント後に自分の通常実力を確認したい場合は、イベント月だけを見ず、その前の数か月を確認します。

  • 月間売上
  • 本指名本数
  • 本指名客数
  • 来店頻度
  • 客単価
  • 新規本指名客数

複数月を見ることで、一時的な上振れと普段の数字を分けやすくなります。

イベント売上を「通常分」と「特別分」に分けて考える

イベント月の売上を分析する時は、どの売上が通常でも発生していた可能性が高く、どの売上がイベントによって増えたのか考えてみましょう。

考え方の例

  • 通常月でも来るお客様からの売上
  • イベントだから久しぶりに来たお客様の売上
  • 普段より高額になった分
  • イベントのために予定を前倒しした来店
  • 普段は来ないお客様からのお祝い売上

厳密に完全分離できなくても構いません。

「何が通常売上で、何がイベント特有だったか」を考えるだけでも、翌月の予測精度が上がります。

一度だけの高額利用を翌月の予定に入れない

イベントで50万円使ってくれたお客様がいたとしても、翌月も50万円使うとは限りません。

お祝いだから普段以上に利用してくれた可能性もあります。

それを通常利用だと思って翌月の売上計画へ入れると、月末になって予定との差が大きくなることがあります。

翌月は、そのお客様の普段の来店頻度や利用額を基準に考えた方が現実的です。

イベント翌月は売上が落ちることもある

イベント翌月に売上が下がることは珍しくありません。

これは必ずしも人気が落ちたという意味ではありません。

  • 前月に来店が集中した
  • お客様が通常以上に利用した
  • 翌月の来店予定が前倒しされた
  • イベント営業でお客様への連絡が集中した
  • キャスト自身も疲れている

イベント前後では売上の波が出やすいため、単月だけで自分を評価しないことが重要です。

イベント翌月こそ顧客関係を整える

イベントが終わった直後は、「次の売上を作らなければ」と営業を強めたくなることがあります。

しかし、お客様もイベントで普段以上に応援してくれた直後かもしれません。

まずは感謝を伝え、無理にすぐ次の高額利用を求めないことが大切です。

  • イベントのお礼をする
  • 来店してくれたことへ感謝する
  • 利用額だけで態度を変えない
  • 次回の来店を急かしすぎない
  • 通常の関係へ戻していく

イベントはゴールではなく、その後も続く顧客関係の一部です。

イベントで増えたお客様が翌月も残っているかを見る

イベントの成功を判断する時は、売上額だけでなく、その後のお客様の動きも確認します。

  • イベントをきっかけに初来店した人が再来店したか
  • 久しぶりのお客様との関係が戻ったか
  • 場内指名から本指名へつながったか
  • 新しい本指名客が増えたか
  • 翌月以降の来店予定が増えたか

イベント後にも顧客基盤が残っているなら、そのイベントは将来の売上にもつながっています。

売上だけ高くて顧客数が増えていない場合もある

イベントで売上が大きく伸びても、本指名客数がほとんど変わっていないことがあります。

例えば、数人の既存客が普段以上に利用して売上が伸びたケースです。

これは悪いことではありません。

ただし、「売上が増えた=顧客基盤も同じだけ強くなった」とは限りません。

売上と顧客数は分けて確認しましょう。

イベント前後で本指名客数を比較する

イベントが将来につながったかを見る一つの方法が、本指名客数の変化です。

例えばイベント前に本指名客が15人いて、イベント後に18人、20人と増えていれば、顧客基盤も広がっている可能性があります。

逆に売上だけ大きく増え、本指名客数が減っている場合は、一部のお客様への売上集中が強くなっている可能性もあります。

数字は店舗の集計方法によって異なるため、自分が確認できる範囲で比較してください。

イベント月は客単価が上がりやすいことも理解する

イベントでは普段より高額な注文が増え、客単価が上がる場合があります。

その高い客単価を翌月以降も当然の数字として計算すると、実績とのズレが出やすくなります。

イベント月の客単価と通常月の客単価を分けて確認すると、自分の通常営業が見えやすくなります。

イベント後に無理な売上目標を設定しない

イベントで300万円売ったあとに、「来月は350万円」と自動的に目標を上げる必要はありません。

通常月に戻るなら、普段の顧客数や来店頻度を基準に目標を設定する方が現実的です。

目標は高いほど良いわけではありません。

実際の顧客基盤と行動へ落とし込める数字であることが重要です。

イベント最高売上を毎月の最低ラインにしない

自己最高売上は、大きな自信になります。

ただし、その月に特別なイベントや高額利用が含まれているなら、毎月の最低基準とは分けて考えましょう。

通常月の安定売上を少しずつ伸ばしていく方が、長期的な成長を判断しやすくなります。

通常月の基礎売上を少しずつ上げていく

トップキャストとして本当に強くなるには、イベントの最高売上だけでなく、通常月の最低ラインを高くしていくことが重要です。

例えば以前は通常月80万円だった人が、その後100万円、120万円と安定して作れるようになれば、顧客基盤そのものが強くなっている可能性があります。

一回の最高記録より、「普通に営業した月でもどのくらい作れるか」を伸ばしていくイメージです。

イベントを新規顧客獲得の機会にもする

イベントは既存のお客様へお願いするだけの期間ではありません。

店内が盛り上がることで、新しいお客様と出会う機会が増える場合もあります。

  • フリー席でも接客を雑にしない
  • 場内指名を大切にする
  • 連絡先交換を忘れない
  • イベント後のお礼を丁寧にする
  • 新規客を次回の本指名へつなげる

イベントで既存客から売上を作りながら、新しい顧客も増やせれば、その後の通常月が強くなります。

イベントで無理をさせすぎると翌月以降に影響する

イベント成功を優先するあまり、一人のお客様へ必要以上に大きな負担を求めると、その後の来店頻度へ影響することがあります。

一晩だけ大きく使ってもらうより、無理のない範囲で長く通ってもらう方が結果的に大きな売上になることもあります。

イベント売上と長期的な顧客関係の両方を考えることが大切です。

イベント後に確認したい数字

  • イベント月の総売上
  • 通常月との差額
  • 本指名本数
  • 本指名客数
  • 新規本指名客数
  • 客単価
  • イベント特有の高額利用
  • 翌月の来店予定
  • イベント後に再来店したお客様

店舗によって管理できる数字は異なります。

確認できる項目だけでも構いません。

イベント月と通常月を比較する方法

  1. イベント前3か月程度の通常売上を見る
  2. イベント月の総売上を確認する
  3. 特別な高額利用がどの程度あったか整理する
  4. 本指名客数の増減を見る
  5. 新規本指名客が増えたか確認する
  6. 翌月の来店予定を見る
  7. イベント翌月の売上と客数を確認する
  8. 通常月の基礎売上が以前より伸びたか確認する

イベント成功を判断するチェックリスト

  • 目標売上を達成できた
  • お客様へ無理をさせすぎなかった
  • 来店してくれた人へお礼を伝えた
  • 新しい本指名客が増えた
  • 久しぶりのお客様との関係が戻った
  • 翌月の来店予定が残っている
  • 一人のお客様だけに売上が集中していない
  • イベント後も通常営業を続けられている
  • 通常月の基礎売上が以前より伸びている

イベント後にやりがちな失敗

  • イベント売上を毎月作れる数字だと思う
  • 翌月も同じ高額利用を期待する
  • イベント翌月の売上低下だけで落ち込む
  • 応援してくれたお客様へすぐ次のお願いをする
  • 売上だけ見て本指名客数を確認しない
  • 新規客への対応を忘れる
  • 自己最高売上だけを基準にする
  • 通常月の顧客基盤を育てなくなる

本当に強いトップキャストは「平均値」が高い

一度だけ500万円を売ることと、毎月安定して高い売上を作ることは別の強さです。

もちろん大きなイベント売上を作る能力も重要です。

しかし、長くナンバー上位を維持するには、イベントがない月にも安定した数字を作れることが必要になります。

大きな最高売上を持ちながら、通常月の最低ラインも高い。

この状態になるほど、年間を通した売上は強くなります。

イベントは「売上を作る日」だけではなく「未来を作る日」

イベント当日の数字だけを見ると、成功か失敗かを売上額だけで判断しやすくなります。

しかし、本当に長く見るなら、そのイベントをきっかけに何が残ったかも重要です。

  • お客様との信頼が深まった
  • 新しい指名客が増えた
  • 久しぶりのお客様と再接点ができた
  • 黒服との連携が強くなった
  • 自分の顧客管理の弱点が分かった
  • 次の通常月へ来店予定が残った

こうしたものが残れば、イベントはその月だけではなく将来の売上にもつながります。

現役店長からのアドバイス

イベントで大きな売上を作ったキャストには、自信を持ってほしいと思います。

お客様が集まり、大きく応援してくれたのは、それまで何もしていなかった人には簡単に作れない結果だからです。

ただ、店長としてその後を見る時は、「イベントでいくら売ったか」だけでは見ません。

そのイベントが終わったあと、何人のお客様が残ったのか。

通常月はいくら作れるのか。

新しい本指名客は増えたのか。

イベントで大きく使ってくれたお客様が、その後も無理なく来店できているのか。

ここまで見ます。

一日で大きな売上を作る力と、一年間安定して売り続ける力は少し違います。

トップキャストを長く続けたいなら、最高売上を更新することだけではなく、通常月の基礎売上を少しずつ高くしてください。

去年はイベントがない月に100万円だったなら、今年は120万円、150万円と安定して作れる状態を目指す。

イベントで大きく跳ねる力と、何もない月にも売れる力。

この両方を持てるキャストが、本当に崩れにくいトップキャストになります。

今回のまとめ

イベント月に大きな売上を作れたことは、キャストが積み上げてきた立派な結果です。

ただし、イベントでは来店や高額利用が集中するため、その数字をそのまま通常月の基準にすると翌月以降の計画を見誤ることがあります。

イベント前の通常売上、本指名客数、客単価、新規本指名客数と比較し、イベントによって一時的に増えた部分と通常営業で作れている部分を分けて確認しましょう。

さらに、イベント後に新しいお客様が残ったか、翌月の来店予定があるか、通常月の基礎売上が以前より高くなったかを見ることも重要です。

最高売上だけを追うのではなく、イベントがない月にも安定して売れる力を育てることが、長くナンバー上位を維持できるトップキャストにつながります。